2021年3月8日
幅広い業界で需要が高い、機械・プラント製図技能士。これは機械やプラントの図面作成の技能を有する国家資格であり、ご自身の製図スキルの証明に役立ちます。
この資格を有していると難易度の高い仕事を受けたり、ご自身の希望する業界にて活躍できるでしょう。
そこで当記事では「機械・プラント製図技能士とは?」と題して、機械・プラント製図技能士の仕事内容や資格の取得方法などを詳しく解説していきます。
機械・プラント製図技能士は、機械やプラントの図面を作成する国家資格者のことを指します。製図のスキルはもちろんのこと、機械に関する知識や設計能力などが必要となります。
この資格は機械設計分野において非常に重要視されているものです。この資格を有しているとご自身の能力が可視化できるため、難易度の高い仕事や幅広い業務を任されるようになります。
また、このスキルを必要としている業界は、建築・電気・機械・自動車など多岐にわたるためご自身の好きな分野で働くことができるでしょう。
機械・プラント製図技能士の主な仕事内容は下記の通りです。
まずはクライアントや社内関係者と打ち合わせを行い、どんな内容の作図を行うか確認します。このときに重要なのは「できるだけ詳細部分まで話し合うこと」です。施工図面であれば施工方法を確認したり、設計図面であればデザイン調整が発生しそうな部分を確認することで、あとから行う修正が楽になる場合があります。機械・プラント製図技能士が作図する時点で未定の部分は図面に注記しておくと、依頼者とのコミュニケーションがしやすくなるのでおすすめです。
また打ち合わせが完了したら、作図に必要な時間をチームで共有するようにしましょう。
ヒアリング完了後は作図に移ります。基本的に打ち合わせで決めたスケジュール内に必要な枚数の図面を作成します。この期間の進め方は機械・プラント製図技能士によって多少異なりますが依頼者への質問は極力避け、ひとまず図面を描き上げるようにするとよいでしょう。都度質問をすると作業が止まってしまったり、依頼者へ手間をかけてしまうからです。どうしても確認しないと進まない場合を除き、まずは想定を踏まえて図面を完成させることをおすすめします。
作図が完成したら依頼者のチェックを受けます。作図期間中、疑問に感じた点や問題点などはこのとき共有して解決策を考えます。チェックバックを受ける際、メールだけでは分かりにくい場合もあるので、必要に応じて打ち合わせを設けるとよいでしょう。
チェックバックの修正が完了すると納品になります。
機械・プラント製図技能士の資格は、都道府県職業開発協会が開催する試験を通過した者のみが与えられる国家資格です。この資格には、「機械製図手書き作業」「機械製図CAD作業」「プラント配管製図作業」の3種類があり、それぞれ1級から3級に分類されます。
この機械・プラント製図技能士には、以下の受験資格があります。
・1級:実務経験7年以上
・2級:実務経験2年以上
・3級:実務経験の規定なし
級が上がっていくにつれて、試験難易度も上がっていきます。つまり1級の場合は高度な製図スキルに加えて、実務経験で培った経験が必要になるのです。
また1級、2級に必要な実務経験年数は学歴により異なりますので注意しましょう。
受験資格 |
❏ 1級 |
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❏ 2級 |
|
❏ 3級 |
受験資格の詳細は試験関連のホームページにて確認しましょう。
機械・プラント製図技能士の試験には、それぞれ「学科試験」と「実地試験」があります。以下では1級から3級ごとに、試験内容についてお伝えします。
1級と2級の試験内容は概ね同じですが、問題の難易度が2級よりも1級の方が難しくなります。また実地試験では、ご自身が選択した作業方法で試験を行います。
<必須科目>
・製図一般
・材料
・材料力学一般
・溶接一般
・関連基礎知識
<選択科目>
・機械製図法
・プラント配管製図法
<選択科目>
・機械製図手書き作業
課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図を手書きにより作成する。
・機械製図CAD作業
課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成する。
・プラント配管製図作業
指定された配管図、P&Iダイアグラム、配管計画図、機器外観図および部品寸法表を基に、指定された配管の配管組立図(平面図)を作成する。
3級の試験は他の級よりも問題数が少なく、出題範囲が限られています。しかしながら専門性を問われる試験内容であるため、試験対策は時間をかけて行うようにしましょう。
<必須科目>
・製図一般
・材料
・材料力学一般
・溶接一般
・関連基礎知識
<選択科目>
・機械製図法
<選択科目>
・機械製図手書き作業
課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図を手書きにより作成する。
・機械製図CAD作業
課題図(機械装置を組み立てた状態の図面)から、指定された部品図をCADにより作成する。
機械・プラント製図技能士は、製図を必要とするさまざまな業界で求められている人材です。またリモートワークや独立がしやすい職種であるため、ご自身のライフプランに合わせて行える仕事と言えるでしょう。
特にフリーで仕事を行う場合、製図スキルは新規クライアントへアピールしにくい傾向にあるため、製図で独立したい方やキャリアアップをしたい方には、この機械・プラント製図技能士の資格取得はおすすめです。