監理技術者とは?緩和された常駐義務を解説
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監理技術者とは?緩和された常駐義務を解説

2021年5月10日

大手ゼネコンや大型物件を行う建設企業にとって「監理技術者」の存在は欠かせません。しかしながら規定額を超える大型物件の場合、監理技術者はその現場に専任する義務があります。そのため、他物件の兼任ができない規則だったことから建設業界は深刻な管理者不足を抱え、思うように仕事が進まない企業も多かったのではないでしょうか。
そこで2020年より「監理技術者の専任性の緩和」が新しく制定されました。この緩和により、ある条件を満たすことで監理技術者の他物件の兼務が可能となったのです。

本記事ではこの「監理技術者」について、最新の情報を踏まえて掘り下げていきます。

 

監理技術者とは

そもそも「監理技術者」とは、元請けの特定建設業者が、当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置される施工技術上の管理を担当する技術者を指します。
そのため技術者の有無は請負代金総額によって決まり、その額によっては監理技術者を必ず配置しなければいけない場合があるのです。

監理技術者の主な仕事は現場に従事する者に対する指導・監督で、具体的な内容は、施工計画の作成や工程管理、現場の品質管理、下請け業者への指導などを行います。
よく「主任技術者」と混同されていますが、監理技術者の仕事は、主任技術者の権限に加えて「下請け業者への指導」が含まれます。つまり監理技術者は「現場の総監督」として、技術的なフォローや適切な指導、さらには現場統率能力などが問われる役割なのです。

 

監理技術者の常駐における課題とは

監理技術者や主任技術者は、物件規模によって「専任」が義務付けられていました。
その条件とは、「公共性のある施設」、「工作物または多数の者が利用する施設」「工作物に関する重要な建設工事」のいずれかにおいて工事一件の請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の場合であり、当該工事に設置される監理技術者(又は主任技術者)は、他工事の兼務を禁止されていました。
つまり上記金額を超える監理技術者になると、自身が担当する現場以外の工事には関われないため、多くの企業では深刻な人手不足問題を抱えていました。
とくにゼネコンをはじめとする大手企業では請負金額が規定値より超過する物件が多いため、監理技術者の数は非常に重要となっています。
最近では従業員の離職率が上昇しており、監理技術者が不足する企業が増加していたため、現状を少しでもよくするためには現段階で従事している管理者でも対応できる「仕組み」が必要だったのです。

 

常駐義務の緩和

国土交通省では「監理技術者の専任性の緩和」を制定し、2020年秋よりこの処置を開始しました。
この緩和はある一定の条件を満たした場合に限り監理技術者の兼務が許可される仕組みで、人手不足な建設業界にとってこの緩和は大きな変化となりました。
しかしながらこの緩和は2つの条件があり、以下の条件を満たさなければ緩和は認められません。

1:監理技術者補佐を現場に専任で置くこと

まず一つ目は「監理技術者補佐」の存在です。監理技術者補佐とは、監理技術者の職務を補佐する者であり、工事現場に専任で置かれる技術者を指します。今回の緩和によって新設された役割で、専任配置される監理技術者とは別の監理技術者、または技士補※を配置すると監理技術者の専任性は緩和されます。

※技士補:建設業法の改正により創設が見込まれている資格。
改正建設業法施工令(令和3年4月1日施行)では、技術検定制度を第一次検定と第二次検定のそれぞれ独立した試験に再編成されます。

 

2:兼任する工事現場の数の条件を満たすこと

そして二つ目は「兼任する工事現場の数の条件を満たすこと」です。監理技術者補佐の専任配置に加え、兼任する工事現場の数についても条件が定められています。
多くの場合、兼務できる工事件数は2件までとなっており、それ以上の物件数は認められていません。いくら法律が緩和されたとはいえ、監理技術者が工事現場の指揮官であることには変わりありませんので、やはり建設業界のレベルを保つためにも、兼任できる物件数は少なめに設定されているのです。

 

まとめ

監理技術者は現場の総監督として、昨年までは専任義務がありました。しかし昨年の改訂により規制が緩和され、監理技術者の働き方が少しずつ変化しています。
監理技術者は、現場経験や幅広い知識が必要になるため仕事の難易度は高いですが、だからこそやりがいを感じられる仕事でもあると言えるでしょう。

 

 


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