内装工事に役立つ資格は?取得方法や難易度を解説
建築
メリット
難易度
仕事内容

内装工事に役立つ資格は?取得方法や難易度を解説

2021年7月6日

内装工事とは、建物の内部空間の最終仕上げを行う工事です。建物の外観が完成した後に最終的に行う作業で、建築工事とは異なる技術が必要になります。
しかし、内装工事には様々な工種があるため「どのようなスキルを身につけたらよいかわからない」と頭を抱える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「内装工事に役立つ資格」と題して、便利な資格やその取得方法を解説していきます。あわせて資格のメリットもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

 


 

内装工事とは

そもそも内装工事とは、建物内部で行う工事です。建設現場では、ゼネコンなどの建築会社が建物の大枠を施工した後、内装工事会社が建物内部の最終仕上げを行っています。つまり、建物の構造体(躯体)の状態から私たちが実際に利用できるような空間を作り上げる工事を指します。

内装工事の種類

この内装工事には下記の工種があり、これらを組み合わせることによって内部空間が完成します。
– 軽鉄工事(鋼製下地組立):間仕切り壁や天井の骨組みとなる軽量鉄骨工事
– ボード工事(ボード張り):軽鉄や木下地の上に貼る石膏ボード工事
– クロス工事:下地材の上にクロスという表層材を貼る工事
– 塗装工事:下地材の上から塗装を行う工事
– 左官工事:下地材の上から左官を行う工事
– 床仕上げ工事:床下地の上に床仕上げ材(フローリングなど)を貼る工事
– 建具工事:扉の制作・設置工事
– 家具工事:造作家具の制作・設置および既製家具の設置工事

他にも内装デザインに応じて、金物工事や木工事など上記以外の工種も発生します。基本的に区画の条件やデザインによって必要な工種が異なるため、内装工事では各工種の専門性だけでなく幅広い知識が問われます。

 

内装工事に関わる仕事

「内装工事に関わる仕事」といっても、様々な仕事があります。今回は以下2つの仕事を中心に紹介します。

施工管理

まず一つ目は「施工管理」です。これは工事現場を管理する現場監督のことで、実際に作業する作業員を束ねる役割を担います。施工管理は各工事を束ねるリーダーであるため、内装に関する幅広い知識が必要です。さらにスケジュールや安全面の管理など、ものづくり以外の様々な知識も必要になるでしょう。

 

職人

そして二つ目は「職人」です。職人は実際に現場で作業する作業員で、内装の工種のどれかひとつを極めた人を指します。つまり、幅広い知識よりも何かひとつの工種に特化したスペシャリストが多く、工種に対する専門性が問われるでしょう。
技術はもちろんのこと、現場経験から得た知見も必要になるので、経験を積む時間も重要になります。

「職人」に関しては、各工種で定められている講習や技術検定などでスキルアップが図れますが、「施工管理」は講習や技術検定だけでなく「資格」が必要になることが多いでしょう。
そこで次に、内装工事に役立つ資格について解説していきます。

 

内装工事に役立つ資格

内装工になるために必ず取得しなければならない資格はありませんが、職人としてより知識を得たい方や施工管理としてステップアップを図りたい方は、ぜひ資格を取得した方がよいでしょう。そこで以下では、内装工事に役立つ資格を3つご紹介します。

内装仕上げ施工技能士

「内装仕上げ施工技能士」は国家資格のひとつで、都道府県職業能力開発協会(中央職業能力開発協会 JAVADA)が主催する技能試験です。内装仕上げ施工技能士には1〜3級までレベルがあり、それぞれの級で合格すると各級の内装仕上げ施工技能士として工事に携わることができます。
建築施工管理や内装専門の会社、リフォーム会社、工務店などで勤務している管理者や職人のスキルアップに最適な試験と言えるでしょう。
この資格を取得するためには、学科試験と実地試験の合格が必要です。また受験資格として実務経験もしくは養成校卒業が必要になるので、詳細は受験時に確認することをオススメします。

 

1級・2級建築施工管理技士

「建築施工管理技士」は、日本の建設業において特定業種の技術を認定した国家資格で、内装工事管理者に最適な資格です。施工管理技士の資格を取得すると、現場で責任感のある仕事や「主任技術者・監理技術者」といった重要な役割を担うことができます。1級と2級では難易度が異なるので、実務経験年数によって受験級を決めるとよいでしょう。
また、この資格を取得していると、内装工事業者の中でも大規模工事を行う元請工事会社への就職が可能になるため、業界内で転職を考えている方にもオススメの資格です。
資格取得には学科試験と実地試験の合格が必須条件であり、試験の合格率は毎年30%〜40%程度です。決して簡単な試験ではないので、十分に対策を行ってから受験しましょう。

 

一級・二級建築士

「建築士」は、建築物の設計および工事監理を行う職業の資格で、上記と同じく国家資格です。
建築士のポイントは、工事監理業務に加えて建築設計が可能な点にあります。施工管理と設計分野の知識が認められるため、幅広い業務に携わることができるため、施工管理だけでなく設計業務を行いたい方には最適の資格です。
この資格を取得していると、ゼネコンや大手内装工事業者だけでなく設計事務所にも就職が可能になります。様々な業務を行いたい方は、ぜひ取得を目指した方がよい資格といえるでしょう。
資格取得には学科試験と実地試験の合格が必須条件であり、試験の合格率は毎年10〜30%前後です。今回紹介した資格の中で最も難易度の高い資格になるので、十分に対策をしてから試験に挑みましょう。

 

資格を取得するメリット

内装工事業者で働く場合、今回紹介した資格を取得すると以下のようなメリットが得られます。これらのメリットを理解し、資格取得後のイメージを膨らませましょう。

✓ 大規模工事を担当できる

今回紹介した資格を取得すると、監理技術者や主任技術者といった大規模工事の責任者になることができます。そのため物件の難易度は高くなりますが、やりがいを感じる瞬間も増えるため、大型案件に携わりたい方はぜひ資格を取得することをオススメします。

 

✓ 昇給・昇進がしやすい

企業によっては国家資格を取得すると、合格祝いとして特別手当が支給されたり、昇給に繋がることもあります。
また、有資格者は昇進対象になりやすいため周囲からの期待も高まるため、内装工事会社でスキルアップを図りたい方にはオススメです。

 

✓ 転職のときに有利

これらの資格を取得していると、転職の際に有利に働きます。とくに今回紹介した資格はすべて国家資格なので、資格保有者として条件交渉がしやすくなるため、大手内装企業に転職したい方はぜひ取得しましょう。

 

まとめ

内装工事には様々な工種があります。また職人と管理者では働き方が異なるため、専門的な知識を身につけた方がよい方と幅広い知識を身につけた方がよい方に分かれます。そのためまずは「どんな働き方をしたいか」を考え、そのキャリアに適切な資格を取得するようにしましょう。

 


SHARE