工事完了報告書とは?作成方法や入手方法を解説
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工事完了報告書とは?作成方法や入手方法を解説

2021年8月6日

工事書類と言ってもさまざまな種類がありますが、その中でも工事完了を示す重要な書類が「工事完了報告書」になります。報告の書式は企業によって異なるものの、報告すべき内容は大まかに決まっています。
しかしながら工事完了報告書を作成したことがない方にとっては「どのように作成したらよいかわからない」と困惑してしまうこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、工事完了報告書の作成方法や入手方法などを詳しく解説します。工事現場に携わる方は、ぜひ最後までご覧ください。

 


 

工事完了報告書とは

そもそも工事完了報告書とは、建築や建設等の工事を請け負い、工事を行った業者側が元請けの業者などに工事が完了した際に提出する報告書です。基本的に工期や現場名と工事、施工箇所といった部分や費用と材料明細が必要になります。
この書類は名前の通り工事の完了を示すものであり、工事を行った業者は作成する必要があります。冒頭でも触れた通り、工事報告書のフォーマットは自由なので企業によって異なります。
その一方で報告すべき内容は概ね決まっているため、作成者は必要な内容を網羅した上で報告しなければなりません。

この工事完了報告書は、WordもしくはExcelといったソフトで作成します。そのため報告書の作成者は基本的なパソコンスキルが必要になります。
提出先によっては紙ではなく、データで求められる場合もあるということを覚えておきましょう。

 

工事完了報告書の作成に必要な項目

工事完了報告書を作成する際には、以下の項目を押さえる必要があります。どんなことを書く必要があるのか、順番に解説していきます。

工期

一つ目は「工期」です。工事完了報告書には、工事が行われた期間を記載します。長期間にわたって工事が行われる場合は、工事開始日と完了日を記載してどの期間に施工されたかを明記しましょう。

 

工事現場名・工事場所

二つ目は「工事現場名・工事場所」です。たとえばショッピングモールなどの大型物件の新築工事の場合、様々な業者がいろいろな工事を行います。そのため工事の名前を詳しく記載しなければ、どの部分を担当したか伝わりません。
自分たちが担当した現場はどこにあってどんな場所なのか、細かく記載する必要があることを覚えておきましょう。

 

施工部分

三つ目は「施工部分」です。「◯階△区画 新築工事」と書かれていても、そのエリアの内装一式工事を担当した業者もあれば、電気設備工事を担当した業者もありますので、どんな工事を担当したか詳しく書きましょう。
それに加え、どこを施工したのかを端的に伝える必要があります。たとえば「キッチン周り防水工事」や「店舗内客室の内装仕上げ工事」というように、どこを施工した報告書なのか一目で伝わるように工夫しましょう。

 

請負金額

四つ目は「請負金額」です。工事完了報告書では、工事の請負契約を結ぶ際に定めた請負金額を記入しましょう。
この請負金額は元請けやクライアントと認識が異なる場合があり、トラブルになりやすいので注意が必要です。契約書の内容を確認し、細心の注意をはらって記入しましょう。

請負金額の部分では、材料費の具体的な金額の記載が必要になります。施工費と材料費が同じ場合、分けられるようであれば分けて記載した方がよいでしょう。
また、費用の明細も必要になるので、報告書を提出するまでは保管しなければなりません。場合によっては工事完了報告内容に材料費を記入しなくてもよいことがありますが、その場合であっても領収書や明細のコピーは提出するようにしましょう。

 

工事担当者の名前

五つ目は「工事担当者の名前」です。会社名はもちろんのこと、工事を担当した担当者の名前も記載が必要です。もし複数人で現場を管理している場合は、現場責任者の名前を明記しましょう。
また、あわせて会社印と個人印の捺印も必要になります。捺印がない場合は書類として認められないため、忘れずに対応しましょう。

 

工事完了写真

六つ目は「工事完了写真」です。元請もしくはクライアントによっては工事完了時の写真だけでなく、施工中の写真を求められることもあります。とくに下地工事の場合、完成してしまうと撮影ができなくなってしまうので、必要なタイミングで写真に収めるようにしましょう。
資料に添付する場合だけでなく、CD-ROMなどにまとめて該当箇所の工事写真すべてを提出することもありますので、工事中は出来るだけ多くの枚数を撮影しておくことをオススメします。

 

工事完了報告書の作成にあたり注意すべきこと

工事完了報告では、提出先によって必要な情報が異なります。とくに以下の項目は、詳細な情報を報告する必要があるので意識しておくとよいでしょう。

使用している材料・素材

元請に提出する工事完了報告書の場合、使用した材料や素材の品質報告を求められることがあります。その場合、有害物質のホルムアルデヒドの発散量が少なく、使用面積が制限されることのない製品を使用している証明(F☆☆☆☆)やJIS規格に準じた材料を使っている証明などが必要になるため、出荷証明書の取り寄せや工事中に写真を撮影するなど対応しましょう。
これらの報告を中途半端にしてしまうと、会社全体の「信用問題」に関わりますので、着工前に「どのような報告が必要なのか」を元請やクライアントに確認しましょう。
とくに材料は施工してしまうと何を使用したかわからなくなってしまうので、きちんと記録しておくことをオススメします。

 

工事写真

工事写真も同じく、どのような報告が必要なのか注意が必要です。完了した全体の写真が必要なのか、もしくは施工中の細部の写真も提出が必要なのかによっては、工事中の対応が大きく異なってきます。
工事完了報告書では、施工方法の報告はあまりしませんが、特殊な造作などを行う場合や資産区分の異なる箇所の工事の場合には、施工写真の提出が必要になることもあります。
そのため元請やクライアント、もしくは施設との打ち合わせの際に提出が必要な箇所を確認しておくと良いでしょう。

 

費用

経費の内訳の明記が必要な場合、費用欄の記入に気をつける必要があります。費用欄のある工事完了報告書の場合、工事にかかった人件費ではなく、県外などの遠方だった場合かつ交通費を別途で支給する契約だった際にその費用を請求することができます。
報告書を提出するときは、有料道路の利用明細(領収書)やガソリン代金の領収書が必要になるので念頭に入れておきましょう。領収証などを提出せずに、有料道路を利用したように記入しただけでは承認が下りませんので、工事中で発生した領収書はしっかりと保管しておきましょう。

 

提出期限

工事完了報告書には、必ず提出期限があります。元請やクライアントによって期限は異なりますが、工事完了日から1週間〜1ヶ月の間で提出を求められることが多いです。
工事完了報告書自体の記入は比較的すぐに完了しますが、添付しなければいけない書類の手配や工事写真の準備などに時間がかかりますので、提出期限を事前に確認し、出来るだけ早めに取り掛かるようにしましょう。

 

工事完了報告書の入手方法

工事完了報告書は、元請や工事施設より指定フォーマットを入手します。
大規模物件の場合、着工前に工事に関するガイダンスがあり、その際に必要書類として配布されることが多いです。万が一工事完了報告書が配布されなかった場合は、提出の必要有無やフォーマットの指定などを確認するようにしましょう。

また、小規模工事の場合や自社が元請の場合はご自身でフォーマットを準備しましょう。
多くの企業では自社でフォーマットを持っていることが多いので、上司や先輩にフォーマットを確認することをオススメします。
もし自社フォーマットがない場合は、ご自身で作成して問題ありませんので、上記で説明した内容を網羅するように報告書を作成しましょう。

 

まとめ

「工事完了報告書」とは、建築や建設等の工事を請け負い、工事を行った業者側が元請けの業者などに工事が完了した際に提出する重要な報告書であるということが十分ご理解頂けたのではないでしょうか。
提出フォーマットや記載内容は提出先によって異なるので、元請やクライアントに確認して作成するようにしましょう。

 

 


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