2021年11月12日
「施工管理」と聞くと、現場の監督や発注作業をイメージする方も多いでしょう。しかし施工管理にも、様々なジャンルがあります。その中でも「内装」の施工管理は、建築や土木とは異なる知識が必要になります。
そこで当記事では「内装の施工管理とは?」と題して、仕事内容や求められるスキルなどを解説します。内装業界に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも施工管理とは、建設現場において工事を取りまとめる監督者です。
建設現場は実際に作業を行う「作業員」と、全体を管理する「管理者」で構成されています。
その中でも内装施工管理は、建物内部の現場を管理する仕事です。実際の業務は、以下の4項目があります。
・工程管理:工事スケジュールの調整、詳細工程の検討
・品質管理:完成物の仕上がりチェック、是正の指示など
・安全管理:職人の健康管理や、安全な現場状況の整備
・原価管理:下請け業者に支払うお金の管理 など
基本的に工程・品質・安全・原価の4つを管理します。内装では、室内を一から施工する「新装工事」と、室内の一部を改装する「改装工事」、さらに部分補修をする「修繕工事」があります。
施工管理者は原則1名以上で、工事規模によって人数が異なります。施工管理者が複数いる場合は分業しますが、基本的にはすべての業務を一人で行えるスキルが必要です。内装施工管理者は幅広い知識と経験が必要になるため、まずは現場で様々な経験を積むところから始めましょう。
内装施工管理の業務について、さらに詳しく解説します。先ほどの「工程管理」「品質管理」「安全管理」「原価管理」に加え「その他業務」の5項目を把握しましょう。
着工日から引き渡し日までの工事スケジュールを作成し、予定通り工事を進めるために管理を行います。「各工種の作業員をいつ配置すべきか」を検討し、協力業者と日程を調整することが主な仕事です。
内装工事は現場が狭いことが多く、資材スペースが作業の邪魔になることも考えられるため、適切な日時に搬出入を行うことも重要な要素になります。
また、施設によっては火気や危険物、騒音作業の日時制限もあるでしょう。これらの作業条件を加味した上で、工程検討が必要です。
現場の制作物が自社・施設の施工ルールに反していないか、施工中の管理を行います。内装の場合、「資産区分」を注意しなければなりません。たとえば「施設の資産」のもの(スラブなどの躯体)は、傷つけてはいけない場合が多いです。
作業員が施設ルールに反した施工をすると、大きなトラブルとなる可能性が高いため、現場ルールを十分に把握し、作業員に指導することも施工管理の仕事です。
工事中に危険な作業をしていないかどうか、作業員の管理を行います。ヘルメットや安全帯の使用、施工手順に即した作業をしているかなど、細かくチェックします。
現場は危険と隣り合わせだからこそ、第三者目線の管理が必要なのです。危険作業を行う作業員がいる場合は、正しい手順を指導しなければなりません。また、ルールを守らない作業員には、現場立ち入り禁止などの厳しい処置も必要です。
協力会社との契約金額を交渉し、工事原価の管理を行います。工事原価と施工内容は密接に関係しており、施工手順が異なれば工事金額も変動します。実際に行った工事内容と見積もり内容が合っているかを確認し、必要に応じて支払い調整をしなければなりません。
他にも工事書類の作成や、施主や設計事務所との打ち合わせなど、様々な業務があります。
その中でも工事書類は、工事を着工するにあたり重要な業務です。慌ただしいとつい後回しになりますが、書類不備となると工事が開始できないこともありますので、締め切りを意識して業務を行いましょう。
内装施工管理は、知識や経験が必要な仕事ですが、その他にも施工管理にとって重要なスキルがあります。以下では「内装施工管理に求められるスキル」として3つ紹介します。
まず一つ目は「計画立案能力」です。施工管理は、完成イメージや引き渡しスケジュールを意識して、施工計画を立てなければなりません。つまり「ゴールから逆算して計画を練れるかどうか」が重要になります。ひとつでも歯車が狂うと、工事全体に支障をきたしてしまいます。そのため「計画立案能力」は施工管理にとって大切なスキルなのです。
次に二つ目は「コミュニケーション能力」です。現場では様々な作業員が出入りしています。現場を円滑に進めるためにも、各作業員とのコミュニケーションを密に行うことは重要です。指示・注意力だけでなく場を和ませる雑談力など、多方面のコミュニケーションが求められるでしょう。
そして三つ目は「マネジメント能力」です。現場ではいろいろな工種がそれぞれの持ち場を工事します。そのため適切な人員配置を事前に検討し、安全な作業環境を整える必要があります。常に先を予測して事前に対策を行う「マネジメント能力」は、施工管理にとって必須スキルです。
内装施工管理の平均年収はいくらでしょうか。以下では、年代別の平均年収を紹介します。
最後に「内装施工管理に向いている人の特徴」を紹介します。特殊な仕事だからこそ、やはり「向き不向き」があります。転職後にミスマッチを起こさないためにも、ご自身の性格と照らし合わせてみましょう。
まず一つ目は「コミュニケーションが好きな人」です。施工管理の仕事は、たくさんの方との交流があります。社内や協力会社はもちろんのこと、施主や設計事務所、施設の内装管理室とも密にやりとりを行います。そのため、人とのコミュニケーションが好きな方は、内装施工管理に向いていると言えるでしょう。
次に二つ目は「デスクワークが好きな人」です。実際の現場は立ち仕事も多いですが、作業員のように手を動かすような仕事はほとんどありません。とくに工事準備段階や引き渡し後の後処理などはデスクワークがメインです。そのため、書類作成やパソコン業務が苦ではない方は向いていると言えるでしょう。
そして三つ目は「臨機応変な対応ができる人」です。現場では毎日のように些細なトラブルが生じます。その都度冷静な判断が求められ、的確に指示をしなければなりません。施工管理は現場のリーダーだからこそ、どんなときでも柔軟な対応が必要です。予定通りに進まない場合も、臨機応変に対応できる人は施工管理の仕事に向いていると言えるでしょう。
内装施工管理は様々な工種を束ねる仕事であるため、知識と経験が必要です。
また、コミュニケーションスキルや現場での臨機応変な対応力も重要になります。そのため未経験の場合は不安を抱く人も多いかと思われます。そんなときはまず転職エージェントに相談してみるのもオススメです。