衛生設備施工管理とは?仕事内容や必要な資格を解説
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衛生設備施工管理とは?仕事内容や必要な資格を解説

2021年12月13日

私たちの暮らしに必要不可欠な水。ふだん水を当たり前のように使えているのも、衛生設備に携わる工事関係者のおかげです。
衛生設備とは、シャワーや水道から出る給水やトイレなどの排水が行えるようにする工事で、その工事を管理する仕事が「衛生設備施工管理」です。
しかしながら衛生設備施工管理は、建設業界の中でもあまり聞き慣れない言葉です。そのため「どんな仕事内容なのか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「衛生設備施工管理」をテーマに、仕事内容や必要な資格などを解説します。暮らしのインフラに関わる仕事がしたい方は必見です。

 


 

衛生設備施工管理とは

衛生設備施工管理とは、衛生設備に関する施工管理者を指します。土木や建築の施工管理と同じように、衛生設備に特化して現場を管理します。
衛生といっても飲食店と物販店では施工基準が異なるため、物件に合わせて柔軟に指示をしなければなりません。また常に建築や内装との取り合いが発生するため、建築的な知識も必要になります。
つまり、衛生設備施工管理は衛生に関する専門知識だけでなく、法規や建築との取り合いなど、幅広い知識が必要になるのです。

知識が必要な施工管理ですが、現在は経験を問わず採用している企業が増えています。その理由は、施工管理者の数が不足していることと、施工管理の業務難易度の広さにあります。
施工管理の仕事は、現場管理から事務処理まで様々です。その中でも事務処理や現場フォローなどは、現場知識のない方でも対応できます。実際の現場で学びながら仕事ができるので、未経験者の方でも問題ありません。
また、企業によってはセミナーなどを開催し、積極的に社内教育を行うところもあります。ご自身の理想の働き方をイメージして、企業を探してみるとよいでしょう。

 

衛生設備施工管理の仕事内容

衛生設備施工管理の仕事内容は、主に下記の5つです。
– 工程管理:工事スケジュールの調整、詳細工程の検討
– 品質管理:完成物の仕上がりチェック、是正の指示など
– 安全管理:職人の健康管理や、安全な現場状況の整備
– 原価管理:下請け業者に支払うお金の管理 など
– その他事務処理:届出や工事書類の作成など

衛生設備施工管理の主な仕事は、建築や土木の施工管理と同じく「現場管理」になります。滞りなく現場を進めるためにスケジュール調整を行い、適切なタイミングで工事を行います。
新装工事や大規模な改装工事の場合、必ず建築工事との取り合いが発生します。そのため衛生設備施工管理者は、建築業者と密に打ち合わせを行い、全体のスケジュールに合わせて工事日を決めなければなりません。
全体の工程を把握した上で職人を統率する必要があるので、コミュニケーション能力が必要になります。

また、他にも品質や安全を考慮し、現場を進めていくことも施工管理の仕事です。とくに衛生設備の品質不良は、漏水などの大規模な事故の発生原因となります。事故の大きさによっては損害賠償などの問題になりかねないので、工事中に品質をチェックし、トラブルを未然に防ぐ必要があります。
衛生設備施工管理者として、施工不良箇所の是正指示や工事記録は積極的に行いましょう。

さらに、原価管理やその他事務仕事なども重要な仕事です。多くの企業では、工事担当者が協力会社との金額交渉を行っています。工事内容を把握した上で、適切な金額を交渉しましょう。
また、実際に工事が始まると様々な書類が発生します。作業届やゼネコンへの提出書類、さらには役所関係の書類などを作成しなければなりません。締め切りを守らないと着工・引き渡しができないこともあるので、期限を確認して作成しましょう。

 

衛生設備施工管理に向いている人の5つの特徴

施工管理の中でも「衛生設備」は特殊な工種です。そこで「どのような人が衛生設備施工管理に向いているのか」その特徴を5つ解説します。

人々の暮らしに関わる仕事がしたい人

一つ目は「人々の暮らしに関わる仕事がしたい人」です。
人々が暮らしていくためには、水は必要不可欠です。工事の種類は大規模な新装から小さな改修まであり、いろいろな形で「人々の暮らし」に関わることになります。そのため、「暮らしと密接に関わる仕事がしたい」という方にはオススメの仕事です。

 

コミュニケーション能力の高い人

二つ目は「コミュニケーション能力の高い人」です。
衛生設備施工管理は、クライアントや作業員、さらには他の施工管理者などとやりとりをします。そのため工事現場のリーダーとして、全体を統率できるコミュニケーション能力が高く、人と話すことが好きという方に向いている仕事です。

 

勉強熱心な人

三つ目は「勉強熱心な人」です。
建設業界では毎シーズン、様々な素材が発表され、新しい技術も誕生しています。従来のやり方に固執せず新しい知識を吸収できる方は、施工管理者としての素質がある方と言えるでしょう。

 

ものづくりが好きな人

四つ目は「ものづくりが好きな人」です。
建設業界に携わる以上、ものづくりを通して社会に貢献したい方や、ものづくりが好きな方にオススメの仕事です。とくに衛生関係はメンテナンスが発生する業種なので、長期間にわたりお客さまと関わることができます。

 

体力に自信のある人

五つ目は「体力に自信のある人」です。
衛生設備工事は、現場に応じて作業時間が異なります。夜間工事も発生するため、生活リズムが不規則になることもあるでしょう。そのため体力に自信のある方に向いている仕事といえます。

 

衛生設備施工管理に役立つ資格

最後に、衛生設備施工管理に役立つ資格を紹介します。下記の資格取得者の方は転職時にアピールするとよいでしょう。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士とは、冷暖房設備や空調設備、上下水道設備、吸排気ダクト、ガス管、浄化槽などの配管工事を管理する施工管理者です。国土交通省管轄の国家資格になります。

 

給水装置工事主任技術者

給水装置工事主任技術者とは、給水装置の設置から撤去や変更まで行うことが可能な資格です。管工事施工管理技士と同じく、国家資格のひとつです。

 

消防設備士(甲種1類)

消防設備士 甲種1類とは、屋内・屋外消火栓設備やスプリンクラー設備などの 水系消防設備を工事・点検するために必要な資格です。

 

電気工事士

電気工事士とは、電気工事の作業に従事するために、電気工作物の工事に関する専門的な知識と技能を有する者に与えられる国家資格です。衛生設備工事と電気工事は取り合いが多いので、資格を取得していると転職が有利に働きます。

 

まとめ

衛生設備施工管理は、衛生に関する専門知識だけでなく法規や建設に関する知識も必要です。そのため分からないことを質問できるコミュニケーション能力や、ものづくりに関する情熱がある方は、ぜひ衛生設備施工管理者を目指すことをオススメします。

 

 


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