2級電気工事施工管理技士とは?試験の特徴や取得までの流れ、勉強方法について解説
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合格率
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2級電気工事施工管理技士とは?試験の特徴や取得までの流れ、勉強方法について解説

2022年3月7日

電気工事施工管理技士とは、電気工事の施工管理を行うための資格です。1級と2級に分かれており、取得する級によって担当できる業務範囲が異なります。
そこで今回は「2級電気工事施工管理技士とは?」と題して、仕事内容や資格取得までの流れを解説します。1級との違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

2級電気工事施工管理技士とは?

そもそも電気工事施工管理技士とは、電気工事の施工管理を行う管理者及び資格を指します。
電気工事は専門性が高い工種なので、作業を管理するためには電気に関する様々な知見が必要です。そのため電気工事施工管理者は、国家資格である「電気工事施工管理技士」の資格が必要になります。
電気工事施工管理技士の資格には1級と2級があり、担当できる業務範囲が異なります。

「1級電気工事施工管理技士」と「2級電気工事施工管理技士」の違い

どちらも電気工事の施工管理者として活躍できる資格ですが、担当可能な業務範囲が異なります。

資格 違い
1級電気工事施工管理技士 特定建設業の営業所ごとに配置が義務付けられている。
また、専任技術者・主任技術者・監理技術者として業務に携わることができる。
2級電気工事施工管理技士 一般建設業の事業所に配置が義務付けられている。
専任技術者・主任技術者として業務に携わることができる。

 
1級電気工事施工管理技士は、監理技術者および主任技術者として現場配置できます。その一方で2級電気工事施工管理技士は、監理技術者としては配置できず、主任技術者として配置されます。
主任技術者とは、外注総額税込4000万円未満の元請業者や下請負に入る建設業者が、現場に配置しなければならない技術者です。
その一方で監理技術者は、外注総額税込4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の現場管理者を指します。
つまり、1級を取得すると担当できる工事の上限がなくなるため、幅広い現場で経験を積むことができます。
ただし1級電気工事施工管理技士を受験するためには、最低3年以上の実務経験が必要です。
その一方で2級は1年以上の実務経験があれば受験できます。1級よりも挑戦難易度が低いので、経験年数が少ない方は2級から挑戦してみると良いでしょう。

 

2級電気工事施工管理技士の仕事内容

2級電気工事施工管理技士の仕事内容は、下記の通りです。

  • 工程の調整
  • 電気工事の施工チェック
  • 元請業者・協力業者との調整業務
  • 図面作成
  • 作業員の管理
  • 原価管理
  • 書類作成など

 
2級電気工事施工管理技士の業務は、一般的な「施工管理」と同様です。ただし電気の場合、建築や内装の工事業者と一緒に現場を進めるため、建築や内装との調整業務がメインになります。
配線や配管の工事は隠蔽物なので、工事の進捗を理解して必要なタイミングで作業員を派遣しなければなりません。そのため進捗をリアルタイムで把握し、臨機応変な対応が求められます。
また、電気工事は不備があると修繕に時間がかかります。適切なタイミングでチェックし、随時是正の指示を出す必要があります。使用ケーブルや部材・施工方法など細かな部分を確認し、施工写真に収めるようにしましょう。
他にも、工事書類の作成や原価の管理など幅広い業務を行います。細かな仕事が多いですが、工事を円滑に進めるためにも漏れのないように対応することが重要となります。

 

2級電気工事施工管理技士の試験の特徴

2級電気工事施工管理技士の試験には「第一次検定(学科)」と「第二次検定(実地)」があり、両方の試験に合格すると、2級電気工事施工管理技士になることができます。

試験概要

受験資格 実務経験1年以上
試験内容 第一次検定(学科)・第二次検定(実地)
※後期受験であれば第一次・第二次同時受験が可能
試験回数 年2回(前期:第一次検定のみ、後期:第一次検定・第二次検定)
資格取得後 主任技術者として現場配置可能

 
★要項に書かれている指定学科を卒業した方は、実務経験1年以上で受験可能です。最終学歴によって受験に必要な経験年数が異なります。詳しくは施工管理技術検定のホームページをご確認ください。
https://www.fcip-shiken.jp/den2/

 

第一次検定

試験時間 計2時間半
解答形式 四肢択一式
出題数・解答数 出題数64問、うち40問を選択して解答
合格基準 正答率60%以上
出題傾向
  • 電気工学:12問中8問を選択
  • 電気設備:20問中11問を選択
  • 関連分野:6問中3問を選択
  • 設計・契約関係:1問
  • 施工管理:13問中9問
  • 法規:12問中8問

 
第一次検定は、マークシート方式の選択問題です。出題数64問のうち、40問を選択して回答します。その中でも電気工学・電気設備・施工管理・法規の出題が多いので、重点的に勉強することをオススメします。

 

第二次検定

試験時間 計2時間
解答形式 記述式
出題数・解答数 5問
合格基準 正答率60%以上
出題傾向
  • 施工経験記述について:1問
  • 施工管理について:2問
  • 電気設備全般:1問
  • 法規:1問

 
第二次検定は、経験が問われる記述式問題です。問題の傾向を理解して、自分の経験に基づく回答を準備しましょう。
とくに、数字や用語を押さえて誤字のない回答が必要です。また、時間内に書き切る必要があるため、事前に練習しておくと良いでしょう。

 

2級電気工事施工管理技士の難易度や取得までの流れ

2級電気工事施工管理技士の難易度や取得までの流れについて解説します。

合格率

2級電気工事施工管理技士の合格率は、第一次検定が57.1%(令和3年度)で、第二次検定が50.4%(令和3年度)です。他の建設系国家資格と比較すると合格率は高く、挑戦しやすい資格と言えます。

 

資格取得までの流れ

取得までの流れは、2級電気工事施工管理技術検定の第一次検定および第二次検定の合格が条件になります。

【申込方法】

申込方法は下表の通りです。

< 第一次・第二次検定同日受検、第二次検定のみ >

新規受検申込者 再受検申込者
インターネット 書面 インターネット 書面

 
< 第一次検定のみ >

インターネット 書面

 

【受検費用】

  • 第一次・第二次検定同日受検:13,200円
  • 第二次検定のみ:6,600円
  • 第一次検定のみ:6,600円

※参考:https://www.fcip-shiken.jp/den2/

 

2級電気工事施工管理技士の勉強方法

2級電気工事施工管理技士の資格は1級と比較すると難易度が低いので、独学でも合格が見込めます。しかし普段の現場では使わない専門知識も問われるので、試験対策は必須です。
そこで以下では、2級電気工事施工管理技士の試験対策について紹介します。

■ 参考書・過去問で勉強する

一つ目は参考書や過去問を使った試験対策です。2級電気工事施工管理技士の参考書は毎年発行されていますので、最新のテキストを入手すると、昨年の問題傾向を理解した上で勉強を進めることができます。
普段現場では使わない専門用語や数値なども抑える必要があるので、時間をかけて勉強することをオススメします。ただし2級の試験は、出題数64問のうち40問しか回答しません。そのためウエイトの高い分野から勉強した方が、効率よく勉強を進められるでしょう。
また、テキストを覚えたあとは過去問などを使い、試験の雰囲気に慣れるようにしましょう。時間を測って勉強することもオススメです。

 

■ 比重の高い分野から勉強する

二つ目は勉強の順序です。比重の高い分野から勉強すると、試験対策が効率よくできます。とくに一次検定の場合、電気工学・電気設備・施工管理・法規の比重が高く設定されているため、まずは上記の分野から勉強を進めていきましょう。
前項でもお話しした通り、2級電気工事施工管理技士の一次検定は選択式です。分からない問題は選ばなければ大丈夫なので、完璧を目指さずに得意な分野を伸ばしましょう。

 

■ 模擬試験の受験

三つ目は「模擬試験の受験」です。テキストや過去問で勉強したあとは、模擬試験を受験してみましょう。なお、模擬試験を受験できない方は、本番と同じく時間を測って問題を解きましょう。
とくに二次検定の場合「時間内に回答が書ききれない」というケースがありますので、試験に合格するためには試験時間に慣れることも重要なのです。
ただし模擬試験は難易度が高いので、各勉強の総仕上げとして行うことをオススメします。

 

まとめ

電気工事施工管理技士は、電気施工管理者としてのステップアップに最適な資格です。実務経験を重ねながら国家資格を取得すると、効率よく知識やスキルを身につけることができます。
また、社内・社外問わず信頼も高まるので、スキルアップ・キャリアアップを目指したい方にはオススメの資格と言えるでしょう。中でも2級は、実務経験1年以上(最終学歴による)で受験できますので、電気施工管理者として幅広い業務を行いたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 

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