建築施工管理技士とは?1級と2級の違いや取得のメリットについて解説
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建築施工管理技士とは?1級と2級の違いや取得のメリットについて解説

2022年3月8日

施工管理は、建設現場において工事を取りまとめる監督者です。その中でも「建築施工管理技士」は、中規模〜大規模の建設現場を監督できる国家資格および資格取得者を指します。建築施工管理技士の資格を取得するためには、1級もしくは2級建築施工管理技術検定に合格する必要があります。
そこで今回は、建築施工管理技士の仕事内容および資格取得のメリットについて解説します。施工管理の仕事でステップアップしたい方はぜひ参考にしてみてください。

 


 

建築施工管理技士の仕事内容

まずは建築施工管理技士の仕事内容について解説します。建築施工管理技士の主な業務は、一般の施工管理と同じく「建設現場の管理」です。
そこで以下では、建築施工管理技士の主な業務5つを解説します。

① 施工計画

設計者の図面を基に、制作物の施工方法を検討します。現場調査を行い、設計計画に不備がないかどうかを確認します。万が一不備があった場合は代替案を検討し、設計者へ打診することも業務のひとつです。
また、建設現場の場合、長物や重機といった大きな物の搬入が多々あります。搬出入経路の計画や手順書作成などは、周囲の安全を保つためにも重要な仕事です。

 

② 工程管理

現場では必ず竣工検査と引き渡し日があります。そのため建築施工管理技士は、これらの日程から逆算した上で工程を作成します。この工程に対する進捗確認も建築施工管理技士の仕事です。
騒音工事の際は近隣住人への挨拶対応や別工事業者と工程の擦り合わせなど、現場を円滑に進めるための調整業務が重要です。

 

③ 品質管理

制作物の材料や施工方法を検査し、制作物の品質を管理します。基本的に建築物の構造を担保するために「構造計算」を行います。各接合部の施工方法が指示されているため、適切な方法で作業したかを確認しなければなりません。施工のポイントは写真に記録し、施工報告書を作成することもあります。
また、工事が図面通り行われていない場合は、適切なタイミングで是正工事を指示することも大切です。

 

④ 安全管理

現場は常に危険と隣り合わせです。脚立作業中の作業員の転落事故や、火気作業中の不注意による引火など様々な事故が推測できます。建築施工管理技士はあらゆる危険を洗い出し、未然に防ぐための対策を取る必要があるため、作業前の朝礼で危険作業の伝達や対策を行い、作業員へ指導をしなければなりません。
また、危険作業を行っている作業員がいる場合、直ちに作業を中断させるなどの指示も必要です。

 

⑤ 工事関係者との打ち合わせ

現場には自社で発注した協力業者だけでなく、様々な業者が出入りします。そのため建築施工管理技士は現場の責任者として、現場定例や各所の打ち合わせに出席します。工事関係者と打ち合わせを行い、今後の工程や問題点などを共有することが大切です。
他にも、打ち合わせ書類の作成や図面修正などを必要に応じて対応します。

 

建築施工管理技士に必要な能力

続いて建築施工管理技士に必要な能力を紹介します。

臨機応変な判断力

一つ目は「臨機応変な判断力」です。現場では予想と異なるトラブルが起こることも多々あるため、その都度冷静に的確な判断が必要になります。場合によってはすぐに次の指示をしなければならないこともあるでしょう。
建築施工管理技士にとって、とっさの判断力は重要な能力と言えるでしょう。

 

危険予知力

二つ目は「危険予知能力」です。施工管理者には、作業現場の危険を予知して未然に防ぐ能力が必要になります。そのためにも「どのような作業で危険が生じるのか」を理解し、作業員に適切な指示をしなければなりません。作業員や周囲の人の命を守る役目として、先回りした行動が大切です。

 

コミュニケーション能力

三つ目は「コミュニケーション能力」です。建築施工管理技士は、現場作業員・クライアント・他の工事業者など様々な人と協力して行う仕事です。そのため現場のリーダーとして、チームをまとめる力やコミュニケーションスキルは重要になります。
ときには厳しい指示を出さなければいけないこともあるので、メリハリを持って業務ができる方にオススメです。

 

スケジュール管理能力

四つ目は「スケジュール管理能力」です。現場は引き渡し日をゴールとして進めていきます。そのため「引き渡し日までに何をしなければならないのか」を整理して、計画を立てなければなりません。
とくに建設現場は工種の入れ替わりが多く、全体像を見据えた人員配置が重要になります。スケジュール管理能力が高い人は、現場を円滑に進められる管理者と言えるでしょう。

 

建築施工管理技士資格を取得すれば転職にも有利

建築施工管理技士の資格を取得することで得られるメリットを紹介します。建築施工管理技士は国家資格なので、有資格者になると様々な利点があります。

社内評価の向上

まず一つ目は「社内評価の向上」です。ゼネコンでは一定数の有資格者を企業で確保する義務があるため、資格を取得すると企業側より評価されます。
企業によっては特別賞与の支給や、昇給・昇格に繋がることもあるでしょう。施工管理者として経験を積みたい方は、大きな案件に携われるチャンスがあるかもしれません。

 

転職に有利

二つ目は「転職に有利になる」ことです。未経験から始めた場合も、資格取得後は施工管理として転職できるようになり、施工管理から別の職種に移る際も有利に働きます。
たとえば建築施工管理技士が「営業職」に転職する際も、資格を有していると知識のある即戦力としてみなされます。条件交渉が有利になり、希望の部署への配属もしやすくなるでしょう。

 

仕事仲間との信頼関係構築

三つ目は「仕事仲間との信頼関係が構築しやすくなる」ことです。施工管理者は、職人と一緒にものづくりを行います。
それだけでなくクライアントや他業者との打ち合わせも多々あるでしょう。その際に「国家資格保有者」と名乗れると、信頼関係の第一歩が構築しやすくなります。業務を円滑に進めるためにも、資格取得はオススメです。

 

2級建築施工管理技士と1級建築施工管理技士の違い

同じ「建築施工管理技士」とはいえ、2級と1級では担当できる業務が異なります。そこで以下では2級と1級の違いについて解説します。

1級建築施工管理技士

1級建築施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者・監理技術者として現場配置が可能になるため、大規模な建設現場に携わることができ、あらゆる分野の仕事が可能です。
ただし、受験資格を得るためには3年以上の実務経験年数が必要で、かつ試験難易度が高い傾向にありますが、1級施工管理技士の資格を取得すると、昇給や昇進、転職が有利になりますので、ぜひ資格取得を目指すことをオススメします。

< 1級建築施工管理技士の受験資格 >
最終学歴によって必要な経験年数が異なります。まずは受験に必要な経験年数を確認しましょう。

1級建築施工管理技士の詳細はこちら

 

2級建築施工管理技士

2級建築施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者として現場配置が可能になります。主任技術者とは、外注総額税込4000万円未満の元請業者や下請に入る建設業者が、現場に配置しなければならない技術者です。つまり、小〜中規模の現場責任者として業務が行えるため、通常の施工管理者よりも現場での権限が増えるため幅広い業務が可能です。
ただし、外注総額税込4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の現場となると、1級の資格取得が必要です。
2級は1級よりも受験難易度が低く、かつ少ない経験年数でも受験できますので、経験年数の浅い方や無資格者の方にオススメです。

< 2級建築施工管理技士受験資格 >
最終学歴によって必要な経験年数が異なります。まずは受験に必要な経験年数を確認しましょう。

2級建築施工管理技士の詳細はこちら

 

まとめ

建築施工管理技士の資格は、スキルアップや昇進・昇給などキャリアアップの後押しになります。転職を希望する方にとっても、国家資格を取得している場合は条件交渉が有利に働きます。
施工管理技士として更なるレベルアップを図りたい方はもちろん、未経験から経験を積みたいという方もひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 


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