第二種電気工事士とは?仕事内容や資格、勉強方法について解説
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第二種電気工事士とは?仕事内容や資格、勉強方法について解説

2022年3月11日

第二種電気工事士は、新築だけに限らず、メンテナンスや管理、改装など様々な場面で活躍することができる資格です。
この記事では、電気工事士の概要や第二種電気工事士の仕事内容、第一種と第二種の違い、資格内容、勉強方法、メリットについて解説します。
第二種電気工事士の資格取得を検討している方は必見です。

 

電気工事士とは?

電気工事士は、ビルや工場、商店、住宅などの電気設備の安全を守るために、電気工事を行う資格を有する者を指します。経済産業省が規定する国家資格であり、第一種と第二種とに区分され、電気工事を行う際に必要な資格となります。
第二種電気工事士の場合、住宅に加えて小規模な店舗や工場の電気工事を行うことができます。

 

第二種電気工事士の仕事内容

第二種電気工事士の主な仕事内容として、建築電気工事やビルメンテナンス、鉄道電気工事などがあります。

建築電気工事

建築電気工事は工事現場での電気工事全般をいい、仕事範囲は広く仕事場所も様々です。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗、工場などの工事がメインとなります。したがって、コンセント・エアコンの取付けや照明、配線などを担当します。
工事現場の経験年数が長い電気工事士がリーダーとして電気工事全体を俯瞰しつつ、指揮する立場になります。
第二種電気工事士は、複数の工事現場を掛け持つ場合が一般的です。工事規模にもよりますが、工事期間が数日の場合もあれば数か月の場合もあります。そのため、工事現場ごとに進捗状況の確認や他の業者との打合せが必要となり、工程管理をしっかり行うことが必須となります。
また、電気工事は取付けや配線工事だけでなく、配管を通すために穴掘りやペンキ塗りを行うケースもあります。そのため他の工事とお互いに邪魔にならないように、連携を取っていくことが重要です。

 

ビルメンテナンス

ビルメンテナンスは、ビルの電気設備の保守点検がメインとなり、簡単な修繕工事が発生します。その場合、第二種電気工事士は電気工学等における基礎知識があるため、電気設備の不具合などを早期に発見し、対処することができます。
そのため第二種電気工事士は、危険物取扱者などと合わせて「ビルメン4点セット」といわれ、ビルメンテナンス業界では必須の資格となります。

*ビルメン4点セット:第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙4、二級ボイラー技士

 

鉄道電気工事

鉄道電気工事は、発電所から送電されてきた電気を電車用に変圧する変電設備のメンテナンスや管理などを行い、鉄道が安全・正確に運行できるように作業を行います。
また、駅構内の電気設備である電光掲示板や改札、照明、空調、拡声器などのメンテナンスや管理も電気工事士の役割です。

 

第一種と第二種の違い

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いを、工事可能な作業範囲や資格の有効期限、待遇・将来性の観点で解説します。

工事可能な作業範囲

第一種と第二種とでは、工事可能な作業範囲が異なります。その違いは下表の通りです。

工事可能な作業範囲 第一種電気工事士 第二種電気工事士
自家用電気工作物
(600V以上かつ最大電力500kw未満)
一般用電気工作物(600V未満)

 
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗・工場などの電気工事のみとなります。
第一種電気工事士は、第二種電気工事士の作業範囲に加え、大規模ビル・工場などの電気工事が行えます。

 

資格の有効期限

第一種と第二種では、資格の有効期限が異なります。
第二種電気工事士は資格の有効期限がありません。一方で第一種電気工事士は資格の有効期限があり、5年ごとに講習受講と更新手続きが必要です。

 

第二種電気工事士の資格内容

次に、第二種電気工事士の試験日程や試験内容、合格率を解説します。

試験日程

第二種電気工事士の試験は、上期試験下期試験があります。平成30年度(2018年度)から、上期試験と下期試験の両方が受験可能となりました。
上期試験が不合格の場合でも、下期試験で再度受験可能となります。例年、以下の日程で開催されます。

上期試験 筆記試験:6月頃、技能試験:7月頃
下期試験 筆記試験:10月頃、技能試験:12月頃

 

試験内容

筆記試験と技能試験の内容は以下の通りです。

【筆記試験】

筆記試験の内容は以下の通りで、解答形式はマークシート型の四肢択一方式となります。

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論及び配線方式
  • 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料および工具
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 一般用電気工作物の保安に関する法令

 

【技能試験】

筆記試験の合格者と筆記試験免除者に対して、以下の項目の全部もしくは一部について行います。
試験は持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で一定時間内に完成させる方法で行います。

  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器及び配線器具の設置
  • 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料および工具の使用方法
  • コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  • 一般用電気工作物の検査
  • 一般用電気工作物の故障個所の修理

 
※参考元:「国家資格 電気主任技術者・電気工事士の試験実施機関」一般財団法人電気技術者試験センター

 

合格率

3年間の第二種電気工事士の合格率は下表の通りです。

試験年度 筆記受験者 技能受験者 筆記合格率 技能合格率
平成30年度 123,279人 95,398人 55.4% 67.5%
令和元年度 122,266人 100,379人 65.9% 65.3%
令和2年度 104,853人 72,997人 62.1% 72.4%

 
筆記試験の合格率は55%~65%、技能試験の合格率は65%~73%です。合格率は高く、難易度は高くない試験といえます。

 

第二種電気工事士の勉強方法

第二種電気工事士の受験対策として必要な期間は比較的短く、3か月間が一般的となります。トータルの勉強時間として50~100時間、毎日1時間~3時間確保すれば合格する可能性は高くなるといえるでしょう。
勉強方法としては、独学通信(WEB)講座の受講講座への通学などがあります。

独学

独学におけるメリット・デメリットは下表の通りです。

メリット デメリット
  • どこでも勉強できる
  • 自分のペースで勉強できる
  • 費用が一番安くて済む(書籍代のみ)
  • スケジュール管理が必要になる
  • モチベーションが続かなくなる
  • 不明点の質問ができない、自信で解決する必要あり

 

通信(WEB)講座の受講

通信(WEB)講座の受講におけるメリット・デメリットは下表の通りです。

メリット デメリット
  • デバイス(PC、スマホ)があればいつでもどこでも受講可能
  • デバイスがあれば繰り返し受講可能
  • 講師陣が充実
  • 教材が充実し、合格に直結する講義内容
  • 相談・質問はメール・ZOOMなどで対応
  • 受講料がかかる(数万円~)
  • デバイスが必要
  • インターネット通信環境が必要
  • スケジュール管理が必要

 

講座への通学

講座への通学におけるメリット・デメリットは下表の通りです。

メリット デメリット
  • 合格に直結する講義内容
  • 講師陣が充実
  • 要点だけをピックアップして解説
  • 教材が充実
  • 相談・質問を講義中や講義後にできる
  • 受講料が高い
  • 通学する必要がある
  • 講座開催会場が限定される
  • 地域によっては交通費・宿泊費が別途必要

 

資格取得のメリットは?

第二種電気工事士の資格を取得すると、主に以下のようなメリットがあります。

  • 仕事に困らない
  • スキルアップ・キャリアアップ・年収アップを図れる

仕事に困らない

全ての建築物は、照明・空調・機械設備を稼働させるために電気を必要とします。電気工事士は、新築時だけでなく、建築物のメンテナンスや改装時など様々な場面で活躍できます。
日常生活に電気の利用が不可欠である以上、電気工事士の仕事は無くなりません。したがって、電気工事士の資格を取得することで、生涯にわたって仕事に困ることはないと言えるでしょう。

 

スキルアップ・キャリアアップ・年収アップを図れる

電気工事士を取得すると、工事現場においてレベルの高い仕事を任せられるようになり、スキルアップを図ることができます。
また、スキルアップすることで現場監督なども任せられるようになり、部下への指導や管理を行う立場につくことができ、キャリアアップを図ることができます。現場監督としての実務経験が長くなるとより大規模の工事現場を任せられるようになり、下請け会社の指導や管理を行う立場につくことができるでしょう。
このように、スキルアップ・キャリアアップを徐々に図ることにより、年収アップも図れます。
第二種電気工事士の平均年収は、400万円~500万円ですが、スキルアップ・キャリアアップを行い、第一種電気工事士も取得できれば、年収1,000万円になることも可能でしょう。

 

まとめ

電気工事士の概要や第二種電気工事士の仕事内容、第一種と第二種の違い、資格内容、勉強方法、メリットについて解説しました。
第二種電気工事士の資格を取得することにより、住宅や中小規模の店舗・オフィス・工場などの電気工事を行うことができます。また、新築時だけでなくメンテナンスや管理、改装など、様々な場面において活躍できることが分かったかと思います。
第二種電気工事士の試験は年2回開催されます。資格取得を検討されている方は、「手に職」という意味でも、ぜひ挑戦されることをオススメします。

 

 


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