1級管工事施工管理技士の難易度は高い?合格率や試験対策について解説
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1級管工事施工管理技士の難易度は高い?合格率や試験対策について解説

2022年4月5日

管工事施工管理技士とは、配管工事の施工管理に関わる高い技術と知識を持つ専門家として認められる国家資格です。主に空調設備や給排水設備などの施工管理として現場に携わることができます。
管工事施工管理技士には1級と2級に分かれており、1級は2級よりも試験難易度が高いため、合格することで様々な権限が与えられます。
そこで今回は1級管工事施工管理技士について、試験の内容や難易度について解説します。管工事に携わる仕事を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

 


 

1級管工事施工管理技士の合格率

管工事の施工管理者として、幅広い権限が与えられる1級管工事施工管理技士。その合格率の平均ですが、一次試験は約30%〜50%ほど、二次試験は50%前後です。
建築士や建築施工管理技士といった他の国家資格と比較すると、合格率は高い方で挑戦しやすい試験といえるでしょう。

試験は一次検定と二次検定があり、それぞれ内容が異なります。
1級管工事施工管理技士の試験では非常に専門的な知識が問われるため、試験対策は必須です。とはいうものの合格率は決して低くないため、試験対策を行えば独学でも十分に合格が見込めます。
また、1級管工事施工管理技士になると大型物件や難易度の高い業務が担当できます。受験を希望する方は、次に説明する「試験科目」を押さえておきましょう。

 

1級管工事施工管理技士の受験資格と試験科目

1級管工事施工管理技士は、決して難易度の高い試験ではありません。ただし、非常に専門的な知識を問われるため、試験対策は必須になります。
そこで以下では、1級施工管理技士の試験内容についてさらに詳しく解説します。

1級管工事施工管理技士の受験資格

1級管工事施工管理技士の受験資格は、最終学歴と経験年数によって異なります。

大学卒業者もしくは高度専門士を有した専門学校卒業者は、3年もしくは4年6ヶ月以上の実務経験を経て受験資格を得ることができます。
例えば大学卒業者の場合、指定学科卒業者は3年以上の実務経験で受験可能です。しかしそれ以外の場合は、4年6ヶ月以上の実務経験が必要です。
また、短期大学卒業者や高等専門学校卒業専門者、もしくは専門学校を卒業し「専門士」の場合、3年もしくは4年6ヶ月以上の実務経験で受験資格を得られます。
この場合も上記と同じく、指定学科の卒業か否かで必要年数が異なります。

つまり、1級管工事施工管理技士の試験を受けるためには最低でも3年以上の実務経験が必要になります。
必要な学歴および指定学科の詳細は、一般財団法人全国建設研修センターのホームページ(https://www.jctc.jp/exam/kankouji-1)をご覧ください。

 

1級管工事施工管理技士の試験科目

1級管工事施工管理技士の試験は、一次検定と二次検定に分かれます。一次検定はマークシート方式の学科試験で、二次検定は記述式試験です。以下ではそれぞれの試験内容について紹介します。

● 第一次検定

一次検定は、四肢択一のマークシート方式です。合格基準は「全得点の60%以上」かつ「施工管理法(能力問題)の得点が50%以上」となります。

問題数は60問(そのうち施工管理法は7問)で、配点は1問につき1点です。そのため正答数は全体で36問以上かつ施工管理法で4問以上が合格ラインです。
試験は午前と午後に行われ、受験内容は以下の通りです。

【午前】試験時間 2時間30分

科目 内容 出題数 回答数 解答形式
機械工学等 原論 10問 10問(必須) 四肢択一
電気工学 2問 2問(必須)
建築学 2問 2問(必須)
空調・衛生 23問 12問(選択)
設備 5問 5問(必須)
設計図書 2問 2問(必須)

 
【午後】試験時間 2時間

科目 内容 出題数 回答数 解答形式
施工管理法 施工管理法 10問 10問(必須) 四肢択一
法規 法規 12問 10問(選択) 四肢択一
施工管理法 能力問題 7問 7問(必須) 四肢択二

 
上記で記載の通り、1級管工事施工管理技士は様々な分野の知識を問われるため、試験対策は必要になるでしょう。
とはいうものの、合格ラインは正答数60%以上なのですべての知識を完璧に覚える必要はありません。問題数の多い「空調・衛生」や、4問以上の正答が求められる「能力問題」を中心に対策を行いましょう。

 

● 第二次検定

二次検定はすべて記述式問題となります。合格ラインは正答60%ですが、配点は公開されていません。指定時間内に回答しなければならないため、事前対策として回答の練習をしましょう。出題数は6問で、そのうちの4問を選択して回答します。

科目 出題数 回答数 解答形式
施工管理法 1問 1問(必須) 記述
2問 1問(選択)
2問 1問(選択)
1問 1問(必須)

 
二次検定は記述式のため、時間内に必要な情報をすべて書ききることが大切です。自身の経験に即した回答であれば、現場の状況や規模がわかるように数字を使って説明しましょう。
また、施工方法などを説明する際は、正式名称を漢字で書く必要があります。事前に練習しないと言葉が出てこないこともあるので、試験対策は丁寧に行いましょう。

 

1級管工事施工管理技士の難易度とポイント

2級管工事施工管理技士と比較すると難易度は高いものの、合格率は決して低くありません。一次検定・二次検定ともに事前学習をしっかりと行えば、独学でも合格は狙えます。
上記でも説明した通り、一次検定は優先順位を意識して学習計画を立てましょう。
ただし二次検定に関しては、可能であれば外部に添削を依頼することをオススメします。説明に不備があるところを客観的に指摘してもらうことで、実際の試験で意識しやすくなります。

 

試験勉強のポイント

1級管工事施工管理技士を目指す上で「どのように試験勉強を進めたらよいか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。以下では試験勉強のポイントを紹介します。

✓ 試験日から逆算した「勉強スケジュール」を考える

とくに独学で試験に挑む方は、勉強スケジュールが大切です。試験日から逆算し、最適なスケジュールを組みましょう。
たとえば仕事で多忙な場合は、休日の数時間を確保するところから始める必要があります。もしくは1時間早く出社して、学習時間にあてるのもよいでしょう。大切なのは「確保できる勉強時間を改めて知ること」です。
1級管工事施工管理技士の試験に挑戦する方は、実務で多忙な方が多いはずです。だからこそ無理なく実現できるスケジュールを組み、計画的に勉強を進めることが重要になります。疲れて勉強が手に付かない日もあると思うので、予備日を意識した計画を立てましょう。

 

✓ 外部講座や通信講座の活用

独学が不安な方や最短で対策を行いたい方は、外部の講座を活用しましょう。最近ではオンラインの講座など、家にいながら学習できる環境が増えてきました。
とくに二次検定の試験対策を独学で行うと正しく解答できているかと不安になるかもしれません。資格スクールが実施している講座に参加して、フィードバックをもらうと効率的に試験対策が進められます。コースの期間は様々なので、ご自身にあったものを選びましょう。

 

✓ 動画やアプリを使ったスキマ時間の有効活用

実務が多忙な場合、時間をとって勉強することは難しいでしょう。そんな方にオススメなのが、動画やアプリを使ったスキマ時間の有効活用です。お手持ちのスマホやタブレットで講義をみたり、実際に問題を解いたりできるので忙しい方でも勉強のハードルが下がります。
最近ではYouTubeなど無料ツールも豊富なので、ご自身の無理のない範囲で始めてみましょう。スキマ時間を有効活用できると、独学でも合格が狙えます。

 

1級管工事施工管理技士取得のメリット

1級管工事施工管理技士の資格を取得すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。以下では3つのメリットを解説します。

  • 仕事の幅が広がる
  • 社内評価の向上・転職に有利になる
  • 関係者との関係が構築しやすくなる

仕事の幅が広がる

まず一つ目は「仕事の幅が広がる」ことです。管工事施工管理技士の資格を取得すると、中規模以上の物件の責任者になることができます。1級の資格取得者となれば、さらに難易度の高い仕事にアサインされることも増えるでしょう。

 

社内評価の向上・転職に有利になる

次に二つ目は「社内評価の向上」と「転職に有利になる」ことです。資格を取得すると、企業側から即戦力として認識されます。昇給や昇進はもちろんのこと、転職の際にも有利に働きますので、取得して損のない資格と言えるでしょう。

 

関係者との関係が構築しやすくなる

そして三つ目は「関係者との関係が構築しやすくなる」ことです。クライアントや他業者との打ち合わせの際も、資格を持っている人とそうでない人では安心感が変わります。1級管工事技士は国家資格のひとつなので、信頼関係の第一歩が構築しやすくなります。

 

まとめ

1級管工事施工管理技士の資格を取得すると、難易度の高い案件を担当するチャンスが訪れます。
また、昇進や転職などキャリアアップの後押しにもなるので、設備関係の仕事に携わっている方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。スキマ時間やおうち時間を有効活用して、更なるステップアップを目指しましょう。

 


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