2022年4月6日
2021年に行われたオリンピックが閉幕し、建設業界の今後が気になる方も多いのではないでしょうか。
中でも施工管理のように現場仕事が多い場合は、業界の景気が仕事に直結します。今後建設業界へ転職を検討されている方はとくに「将来性」が気になるところでしょう。
そこで今回は「施工管理の現状と将来性」をテーマに、今後の需要や働き方について解説します。施工管理の仕事に興味がある方は必見です。
そもそも建設現場には、作業を実際に行う「作業員」と、現場全体を管理する「管理者」の役割があります。その中でも施工管理とは、建設現場において工事を取りまとめる管理者で、担当案件が完工するように現場を指揮する仕事を担います。管理する内容は幅広く、工事の品質安全はもちろんのこと、工事の費用やスケジュールなども調整します。
現場知識と経験は必須で、なおかつリーダーシップやコミュニケーション能力が試される仕事になります。
そんな施工管理ですが、仕事場は主に「工事現場」です。そのため工事の需要が減ってしまうと、それと比例して仕事も減ってしまいます。つまり、施工管理の今後は工事の需要が大きく影響するのです。
もう少し詳しく「施工管理の将来性」について解説していきます。
施工管理の現状は、需要に対して供給が追いついていません。業界的に深刻な人手不足問題を抱えている一方で、仕事が抱えきれずに溢れている状況です。
なぜ人手不足問題が起こっているかというと、建設業界のイメージの悪さが原因のひとつとして挙げられます。たとえば長時間労働や休日出勤といった「過酷」なイメージがあるせいか、若年層の採用が難しい状況にあるのです。そのため企業側は現在、未経験者を含め積極的に採用活動を行っています。業界知識のない方でも現場に立てるように社内研修を行う企業も増えており、以前より人材教育が手厚くなりました。
また、2024年4月施行の建設業界の働き方改革によって今後さらに建設業界の働き方の改善が見込めるため、若年層の採用はさらに活発化していくでしょう。
建設業界全体をみると、需要は引き続き増加しています。2021年にオリンピックが閉幕しましたが、その後は2025年に大阪万博が予定されています。他にも公共施設や民間施設の建設工事が進められており、施工管理は今後も十分に将来性のある仕事といえるでしょう。
また、2024年施行の働き方改革によって残業時間に上限が設けられるため、昔のような働き方はできなくなります。それに加えて多くの企業では、性別を問わず積極的な採用を行っており、すべての従業員が働きやすい環境を目指して整備しています。
過酷なイメージのある建設業界ですが、時代の変化とともに大きく進化を遂げていますので、大いに期待できるでしょう。
今後も需要が見込まれる施工管理ですが、管理者としてのスキルを証明する「施工管理技士」という資格があります。この資格を取得すると、様々なメリットが得られます。
そこで以下では施工管理技士として得られる4つのメリットを紹介します。
一つ目は「有資格者として難易度の高い仕事に携われる」ことです。施工管理技士には、1級と2級の2種類があり、それぞれ与えられる権限が異なります。
2級施工管理技士になると、主任技術者の権限が与えられます。1級ほどの権限はありませんが、請負金額4,000万円以下の工事の責任者になることができますので、中小規模の実績を積むことができるでしょう。
また、1級施工管理技士になると、監理技術者と主任技術者の権限が与えられます。どちらの権限も有しているため、担当できる工事額の上限がありません。様々な物件に携わることができるので、施工管理としての技術や知識が増えるでしょう。
二つ目は「仕事関係者とのコミュニケーションが円滑になる」ことです。施工管理技士の資格は国家資格なので、資格を取得すると「プロ」として一目置かれます。
プロジェクトを進めるメンバーは、設計者やクライアント、作業員など様々です。資格を取得していると信頼関係が築きやすく、コミュニケーションが円滑に進みます。
三つ目は「昇給・昇進のきっかけになる」ことです。特定建設業の資格を有している企業の場合、有資格者の数は重要になります。企業によってはマネージャー職に就く場合、何かしらの資格が必要になることもあります。つまり、資格を取得することで昇給や昇進のチャンスが巡ってくる確率が高くなるのです。
また、試験に合格すると臨時手当が贈られることもあり、最近では挑戦を後押しする企業が増えてきています。
四つ目は「転職に有利になること」です。施工管理は人手が不足している職種なので、有資格者の場合はとくに転職が有利になります。給料面や待遇などの条件交渉がしやすくなり、理想の働き方が実現しやすくなるでしょう。
今後も需要が見込まれる「施工管理」ですが、どんな人が向いているのか、その特徴を紹介します。
施工管理に必要なスキルとして主に以下3つが挙げられます。
業界経験や現場知識は重要になりますが、習得するには時間がかかります。そのため未経験者の方は特に以下3点のスキルを意識すると良いでしょう。
たとえばパソコンスキルであれば、Word・Excel・PowerPointのようなソフトを使います。簡単な資料が作成できるように、基本的な操作は覚えておきましょう。
また、施工管理は多くの関係者と打ち合わせをするので、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルは必須です。
そして一番重要なのがスケジュール管理力です。「誰にいつまでに何をお願いするのか」を整理して、各所に依頼する仕事が多くあります。細かな部分まで気配りを行い、時間を意識した行動をしましょう。
最後に施工管理に向いている人の特徴を紹介します。
まず一つ目は「細部まで気を配れる人」です。建設現場では1mm単位で会話をします。そのため1mmの誤差に注意して行動でき細部まで気を配れる方は、施工管理に向いていると言えます。
二つ目は「規則やルールを大切にできる人」です。現場には施工手順や施工における禁止事項など数々のルールが存在します。それらを意識し、適切なタイミングで注意できる意思のある人にも施工管理は向いているでしょう。
そして三つ目は「体調管理ができている人」です。現場仕事は体力が必要なので、体調管理に気を配れる人は施工管理に向いています。
施工管理へ転職希望の方は、これらのポイントをアピールするとよいでしょう。
1級管工事施工管理技士の資格を取得すると、難易度の高い案件を担当するチャンスが訪れます。また、昇進や転職などキャリアアップの後押しにもなるので、設備関係の仕事に携わっている方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。スキマ時間やおうち時間を有効活用して、更なるステップアップを目指しましょう。