ビルメンテナンスはきつい?業界で働くメリット・デメリットを解説
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ビルメンテナンスはきつい?業界で働くメリット・デメリットを解説

2022年6月2日

建設業界の中には、建物を「作る」仕事と作った建物を「守る」仕事があります。その中でもビルメンテナンスとは、建物を「守る」立場として完成したビルを定期的に点検し、修繕する仕事です。建物の価値を維持することはもちろん、利用する人々の安全を守る重要な役割を担っています。そのためビルメンテナンスとして働くためには、様々な分野の知識と経験が必要になります。
そこで今回は「ビルメンテナンス」について、実際の仕事内容や業界で働くメリット・デメリットについて紹介します。建設業界やビルメンテナンスの仕事に興味のある方は、最後までご覧ください。

 


 

ビルメンテナンスとは?

「ビルメンテナンス」とは、オフィスビルや商業施設、ホテルや病院、マンションなど、様々な建物の維持管理をする仕事です。その建物で働く人や住んでいる人、訪れる人が快適で安全に過ごせるよう、設備の手入れを行います。
また、定期的に点検をすることでその建物の資産性を維持することができるため、ビルメンテナンスの仕事は人々の安全と建物そのものを守る重要な仕事になります。
たとえば高層ビルの窓拭きやロビーの清掃、エレベーターや空調の点検などもビルメンテナンスの業務のひとつです。このように「ビルの管理」と言っても、実はいろいろな業務があり、業務内容は多岐に渡ります。
普段から私たちが気持ちよく建物を利用できているのは、ビルメンテナンス業務のおかげと言っても過言ではありません。

 

ビルメンテナンス業務の種類

先ほど触れた通り、ビルメンテナンスには様々な業務があります。そこで以下では、ビルメンテナンスの業務についてもう少し詳しくお伝えします。

ビルメンテナンス業務には主に、「環境衛生管理」「設備管理」「建物・設備保全」「警備防災」4つがあります。

環境衛生管理

環境衛生管理とは、建物内で快適に過ごせるようにビルの清掃を行い、衛生状態を改善する業務です。主に「清掃管理」「衛生管理」に分けられます。

● 清掃管理

「清掃管理」は文字通り、建物の清掃を行い、常に清潔な状態を管理する業務です。
商業施設やオフィスビルなどでは、様々な仕上げ材が使用されています。たとえば床材の場合、タイルやモルタル、フローリングなどいろいろな素材が使われています。清掃管理は、それぞれの仕上げ材に合わせ、適切な清掃が求められる仕事なのです。
ビル清掃に関する国家資格(ビルクリーニング技能士)などもあり、プロの知識が問われることもあります。清掃方法が間違っていると、仕上げ材が傷つく原因にもなりますので、知識と経験が必要な仕事と言えるでしょう。

● 衛生管理

衛生管理は、建築物の衛生環境を維持するための業務です。
この衛生については、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」にて、空気環境や湿度などの規定が定められています。これらの規定に則し、衛生環境を保全する仕事が衛生管理です。ネズミや害虫の駆除はもちろん、貯水槽などの清掃も衛生管理の業務のひとつです。

 

設備管理

設備管理とは、ビル内にある数多くの設備機器の運転・監視、点検、整備、保全および記録の分析・保存をする業務です。
ビル設備機器の多くはコンピューターで自動コントロールされていますが、定期的にチェックすることでより安全な場が提供できます。専門的な設備を点検することもあるので、設備や電気系統に関する知識が問われるでしょう。
また、最近ではエネルギー問題の観点から、環境問題に関する知見も必要な場面が増えてきているため、より幅広い知識が必要になる分野と言えるでしょう。

 

建物・設備保全

建物・設備保全とは、建物と設備の保全のために行う業務です。
受変電・発電機械の設備、ボイラー設備・冷凍機設備などの保守や法廷点検・性能検査の受検や、建物の空気環境測定、飲料水貯水槽の清掃や水質検査など、あらゆる設備における保全を行います。定期点検だけではなく、利用者の声なども参考に細かく確認して修繕する仕事です。

 

警備防災

警備防災とは危険事態に備えるための業務で、業務内容は警備業務、防火管理業務、防災管理業務があります。
警備業務は、建物の入り口や駐車場などの警備が主な仕事です。他にも交通誘導警備業務・雑踏警備業務、輸送警備業務、身辺警備業務などがあり、特定の資格を保有する者や認定業者のみが担います。
また、消防計画の作成や設備の点検・管理などを行う防火管理業務や、自然災害を未然に防ぐ被害抑止などの業務を担う防災管理業務があります。

 

ビルメンテナンス業界に関する3つの資格

清掃や衛生、建物保全や警備など、様々な知識が問われるビルメンテナンス業界で役立つ3つの資格を紹介します。

第二種電気工事士

第二種電気工事士とは、一般財団法人電気技術者試験センターが開催する資格試験です。ビルメンテナンスの中には設備系の仕事も多く、電気が関係するものも多々あるため、第二種電気工事士の資格を保有しておくことをオススメします。

 

危険物取扱者乙種4類

危険物取扱者とは、灯油や金属粉など燃えやすい物質を扱う管理者の資格です。資格には「甲種」「乙種」「丙種」の3種類があり、その中でも乙種を取得しておくと、ガソリン、灯油、軽油、重油などを含む引火性液体を扱えるようになります。

 

二級ボイラー技士

ボイラー技士とは、一定規模以上のボイラーの運用や管理、保守点検などを行うための国家資格です。その中でも二級ボイラー技士の資格を取得すると、伝熱面積が25平方メートル未満のボイラーを取り扱えるようになります。

 

ビルメンテナンス業務の一日の流れ

続いて、ビルメンテナンス業務の一日の流れを紹介します。以下の例を参考に、仕事のイメージを膨らませてみましょう。

【商業施設のビルメンテナンス】

8:30 出勤
9:00~9:30 前日の引継ぎ(クレームやトラブルなどの共有)
9:00~10:00 施設内の巡回、設備に異常がないかどうかを確認
10:30~11:30 工事業者との打ち合わせ
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 施設内設備の点検
14:00~16:00 図面チェック・書類作成など
16:00~17:00 工事業者の立ち会い
17:00~18:00 日中の作業報告・日報の記入

 
主な仕事内容は施設設備の点検や、報告書の作成などです。他にも商業施設の場合、テナント側が工事を行うことがあります。その際は打ち合わせをしたり、工事に立ち合ったりする必要があります。
また、点検が日中に行えない施設では夜勤になる可能性もあるので、勤務時間は必ず聞くようにしましょう。

 

ビルメンテナンス業務のメリット

ビルメンテナンス業務は、建築分野の中でも特殊な仕事になります。そこで以下ではビルメンテナンスの仕事をするメリットについて解説します。

残業が少ない

一つ目は「残業が少ない」ことです。残業が多いイメージの建設業界の中でも、ビルメンテナンスは比較的スケジュールのコントロールがしやすい業務なので、残業が少ない傾向にあります。

 

年間休日が多い

二つ目は「年間休日が多い」ことです。もちろん緊急対応の出勤がゼロというわけではありませんが、仕事的に年間休日は取りやすく、有給休暇などを調整することも可能です。

 

今後も安定した業界である

三つ目は「今後も安定した業界である」ことです。ビルが解体されない限り、メンテナンスは半永久的に必要とされます。だからこそ、業界自体が安定しており、今後も更なる需要が見込まれています。

 

ビルメンテナンス業務のデメリット

上記のようなメリットがある一方、デメリットもあります。ビルメンテナンス業務を希望する方は、下記のデメリットも抑えておきましょう。

夜勤がある

一つ目は「夜勤がある」ことです。点検作業などは人がいない深夜に行われることが多いので、夜勤作業が発生することもあります。頻度は担当内容によってバラバラなので、転職相談などのときに必ず確認しましょう。

 

覚えることが多い

二つ目は「覚えることが多い」ことです。メンテナンス業務は様々な知識が問われる仕事なので、勉強しなければいけないことが多くあります。とはいうものの、仕事に慣れてくると徐々に覚えてきますので、焦らず自分のペースで勉強することをオススメします。

 

資格がないと平均年収が低い

三つ目は「資格がないと平均年収が低い」ことです。特に清掃の仕事はアルバイトで募集していることも多く、無資格でも仕事ができます。資格がないと雑務から経験を積むことになるので、仕事に役立つ資格を取得してから転職すると良いでしょう。

 

まとめ

ビルメンテナンスは、オフィスビルや商業施設などの様々な建物を管理する仕事です。その建物で働く人や住んでいる人たちが快適に過ごせるよう、様々なメンテナンスを行います。仕事自体は決して楽な仕事ではありませんが、その分やりがいを感じられる仕事です。資格を取得していなくても行える業務もあるので、ビルメンテナンスの業務に興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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