測量士になるには?試験内容や年収、難易度を解説!
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測量士になるには?試験内容や年収、難易度を解説!

2022年7月4日

測量士とは、土地の位置や面積、距離などを測量する仕事です。建設工事において測量は重要であるため、国家資格を有した測量士は重宝されています。しかし、測量士の認知度はあまり高くないため「どんな仕事?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、測量士をテーマに、試験内容や年収、難易度などを解説します。建設業界に興味のある方は最後までご覧ください。

 


 

測量士とは?

測量士は、建設現場で距離や角度を測定し、地表上のポイントや形状・面積を図示する仕事を担っています。カメラのような機械を使って土地の距離、角度、高低差などを計測し、細いデータから地形図を作り、環境や地形の条件にあった計画を考えます。
この「測量」が行われなければ、工事計画を進めることができません。ビルやダム、高速道路、トンネルなどの生活のライフラインとして作られているものは、測量士の仕事と密接な関係があります。

測量士に転職する場合、企業によっては資格がなくても転職できるところもあります。とはいうものの無資格の場合、仕事内容は資格保有者の測量士や測量士補のサポートがメインになるでしょう。そのため、活躍するためには国家資格の「測量士」や「測量士補」の取得は必須と言えます。
測量といっても様々な業務があるため、一人前になるまでには5年ほどかかると言われています。測量の仕事がしたい方や建設業界でステップアップを目指す方は、測量士の資格取得をぜひ検討してみましょう。

 

測量士の仕事内容

測量士の主な業務は道路や建設現場の測量ですが、それだけでなく図面や作業書類の作成など様々な業務を担当します。そこで以下では、測量士の仕事内容について解説します。

外業

外業とは野外で行う作業を指し、現場に行って必要な測量を実施します。もちろん外で行う仕事なので測量に適切なタイミングがあり、その日の天候等によっては正確な測量が難しいこともあります。実際に外業を行う場合は、予備日を作りスケジュールに余裕を持つことが大切です。

 

内業

内業とは、測量のための計画や測量後の製図、また測量によって生じたデータを分析するなどオフィス内での作業を指します。建設業界の仕事と聞くと「現場仕事」のイメージがありますが、実際のところオフィスワークも多々あります。図面作成はCADを使って行うので、CADスキルも必要になります。

 

測量士になるには?

建設業界で重要とされている測量士は、どのような方法でなれるのでしょうか。以下では測量士になる方法について紹介します。

測量士の試験に合格する

最も多いのは、測量士の試験に合格することです。
建設系の国家資格では受験資格として「経験年数」が問われる試験も多いのですが、測量士ではそのような基準はありません。何歳の方でも受験が可能なので、測量士の試験に挑戦する方は多いです。

 

大学や養成施設で学科を履修し、実務経験を積む

国家資格を取得する他にも、測量士になる方法があります。それは、測量について勉強できる学校を卒業し、決められた年数の実務経験を積むことです。もしくは測量士補の資格を取得して、養成施設に通うと測量士になることができます。
測量士補とは測量士の仕事をサポートする仕事で、建設系の国家資格のひとつです。測量士の試験よりも難易度が易しいので、初めて受験する方は「測量士補」を受験するのも良いでしょう。

 

測量士の年収

測量士の平均年収は約454万円と言われており、他の業種の平均年収と比較すると高い傾向にあります。月給で換算すると38万円で、初任給は20万円程度が相場です。測量士の資格をとり経験を積むと、転職の条件交渉などでも有利に働きます。

 

測量士の試験概要

続いて、測量士の試験概要について説明します。測量士の試験は筆記形式で、午前と午後に試験が行われます。

受験資格

測量士の受験資格は、年齢、性別、学歴、実務経験などの制限は一切ありません。そのため未経験者の方でも受験可能な試験です。施工管理技士などの他の国家資格では「実務経験」が問われるケースが多いのですが、測量士の試験では不要になります。
とはいうものの専門的な知識が問われる試験なので、業界知識がなく、測量に関する勉強をしたことがない方にとっては非常に難しい試験と言えるでしょう。その場合は自習をしたり、講座を受講したりして勉強することをオススメします。

 

試験内容

測量士の試験は筆記試験によって行われます。
午前と午後の2部制となっており、問題の傾向がそれぞれ異なります。

午前:択一式(5択) 出題数28問
午後:必須1題と選択4題のうち2題選択 各設問数4問

【午前試験】

  • 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
  • 多角測量
  • 汎地球測位システム測量
  • 水準測量
  • 地形測量
  • 写真測量
  • 地図編集
  • 応用測量
  • 地理情報システム

 

【午後試験】

  1. (必須問題)測量法、水準測量など
  2. (選択科目問題)
    • 選択1 基準点測量
    • 選択2 地形・写真測量
    • 選択3 地図編集
    • 選択4 応用測量

 
合格基準は、午前の試験では700満点中400点(16問正答以上)で、午後の試験は1問700点で合計1400点中910点以上で合格となります。ただし、午前の試験の得点が50%以下の場合は不合格となるため注意が必要です。

 

試験日

令和4年の試験日程は、5月15日(日)10:00~16:00です。
午前の部が2時間30分、休憩1時間、午後の部が2時間30分のスケジュールで計5時間行われます。

 

受験地

受験場所は、指定された大学の校内になります。北海道から沖縄まで様々な場所で開催されているので、自宅から一番近い場所を選択できます。
なお、場所の詳細は国土交通省国土地理院のホームページにて確認できます。
参照:https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/shikenkaijyouR4.html

 

合格率

令和3年に行われた試験では、合格率は17.9%でした。合格率は決して高くはないので、事前対策を徹底的に行う必要があるでしょう。ちなみに測量士のサポートをする「測量士補」の合格率は35.8%で、測量士と比較するとやや高い傾向にあります。測量士と測量士補では担当可能な業務が異なりますが、目的に合わせて受験すると良いでしょう。

 

難易度

合格率からもわかる通り、決して難易度の低い試験ではありません。試験では専門的な知識が幅広く問われるため、事前に対策を行う必要があります。必要な勉強時間を確保して、自分のペースで対策を行いましょう。

 

測量士になるための勉強方法

測量士の勉強方法は様々ですが、今回は2つの方法を紹介します。

テキストや過去問で独学する

まずは、テキストや過去問を使って勉強を始めましょう。測量士の試験は難易度の高い試験になりますが、計画的に勉強すれば初回受験でも合格は狙えます。とくに、最新のテキストは過去の試験問題を踏まえて対策されているものが多いので、すでに過去のテキストを持っている方も新調することをオススメします。
一通りテキストで勉強したあとは、過去問にも挑戦しましょう。問題文に触れておくと、落ち着いた気持ちで当日の試験に挑めるはずです。

 

通信講座を受ける

独学では不安な方や最短で合格を目指したい方は、通信講座の受講もオススメです。最近ではオンライン講座も増えてきているので、場所を選ばずに受講できるコースが増えてきました。学校によって異なりますが、試験前に模擬テストを受けたり、回答に対してフィードバックをもらえたりすることもあります。
独学よりも短期間で着実に勉強を進めることができるので、業務で忙しい方などにもオススメです。

 

測量士の資格取得に必要な勉強時間

初回受験かつ独学で合格を目指す場合、最低でも500時間は確保した方が良いでしょう。とは言っても、経験が豊富な方や以前に勉強したことのある方であれば、半分の時間でも問題ありません。
大切なのは、自分の現在地を知って、自分なりのスケジュールを組むことです。「1日2時間」や「土日は最低3時間勉強する」と決めて、それをスケジュールに落とし込んでみましょう。自分の必要な勉強時間を設定することで、着実に勉強習慣が身につきます。

 

測量士の将来性

測量は建設業界で非常に重要な仕事です。そのため測量士の将来性としては、安定している職種と言えるでしょう。
ビルやダム、高速道路、トンネルなどの生活の基盤となっているものは、すべて測量の作業を経て計画されており、建設業界は更なる需要が予想されているので、様々な企業から求められている人材です。
とはいうものの、測量士は資格が重要になるため、転職を希望する方は「測量士」もしくは「測量士補」の資格取得もあわせて検討すると良いでしょう。

 


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