2022年10月7日
建設業界での工事現場では、休みが取れないことや残業代が出ないなどのブラックな環境のイメージがつきまとっています。しかし、近年政府による「働き方改革」により、徐々に職場環境に対するイメージの改善がされつつあります。
この記事では、「施工管理職におけるホワイト」の概要やホワイトな求人を見つける方法、ホワイトな企業で働く方法について解説します。
IT技術の深化によってホワイトな企業を探しやすくなっており、就職や転職もしやすくなったことがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
ホワイトの条件やブラックの背景、ホワイトへの国土交通省の取組み、休日・残業時間・給与・職場環境についてそれぞれ説明します。
施工管理職におけるホワイトなイメージの最低条件としては、以下などが挙げられます。
これまで施工管理職に対してブラックなイメージが色濃くありました。その背景としては以下などがあります。
上記を是正しホワイトなイメージへ変革するために、国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。(平成30年)
具体的な施策としては、以下などを掲げています。
以下より、休日や残業時間、給与、職場環境の観点から説明していきます。
休日については、週休2日制の徹底と有休が規定通りに取れることがホワイトなイメージへの最低条件となります。
休日について、これまでの状況や適正な休日確保に向けての対策について説明します。
建設業界以外では一般的となっている週休2日が確保されていない場合が多いです。工期が迫ってくると、工事を間に合わせるために休日返上が行われている建設現場が現在でもあるといった状況です。
週休2日制の徹底を図るため、国土交通省では週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上するため、以下などを行いました。
※参考元:「【建設業働き方改革加速化プログラム】を策定~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~」国土交通省
残業時間については、長時間残業を無くすことがホワイトなイメージへの条件となります。
残業時間について、これまでの状況や適正な残業時間に向けての対策について説明します。
工期を守るため、休日出勤による残業時間の増加にとどまらず、毎日深夜に及ぶ長時間労働を強いられる職場も少なくありません。
また、職人などの技術者の出勤時間は通勤ラッシュを避けて早朝になることが一般的です。職人などを工事現場に入れるために門の施錠を開ける必要があり、施工管理が早朝出勤を強いられる現場もいまだにあるのが現状です。
長時間残業を極力無くす勤務形態を構築するためには、建設工事を受注する建設会社だけでなく、発注者側の意識改革も必要となります。
そこで国土交通省では、長時間労働とならない適正な工期設定を推進するため、各発注工事の実情を踏まえて「適正な工期設定のためのガイドライン」を改討しました。
工期に余裕が生じれば一日当たりの業務量も減るため、休日出勤や長時間労働を無くすことができ、有休を取ることも可能になります。
※参考元:「【建設業働き方改革加速化プログラム】を策定~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~」国土交通省
保有する技術力や技能に見合った給与の支払いや、残業時間に応じた残業手当の支払いの徹底がホワイトなイメージへの条件となります。
給与について、これまでの状況や適正な給与の支払いに向けての対策について説明します。
建設会社の中には、保有する技術力や技能に見合う給与を支払っていない企業が少なくありませんでした。
また、膨大な残業時間に対して一部しか支払わないケースや、ひどい場合には全く支払われないケースもあります。
国土交通省では、技能者の資格や現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する「建設キャリアアップシステム」の稼働と、おおむね5年(令和5年)での全ての建設技能者(約330万人)の加入を推進し、また、技能・経験に相応しい給与が実現するよう、建設技能者の能力評価制度を策定します。
さらに、能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者に対する公共工事の評価や当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力等の見える化を検討しています。
職場環境においては、社会保険への加入がホワイトなイメージへの最低条件となります。
職場環境について、これまでの状況や適正な社会保険加入に向けての対策について説明します。
これまで社会保険に未加入の建設会社は当たり前のように存在しました。そのため職員は国民健康保険に入らざるを得ませんが、国民健康保険に未加入の職員も少なからずいました。
そのため、建設現場で事故などにより怪我をしても本来対処すべき建設会社が対処せず、施工管理職自らの責任で対処せざるを得ない職場環境が少なからず存在しました。
国土交通省は上記を防ぐため、社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築しました。
施工管理職でホワイトな求人を見つける方法として4点挙げ、それぞれ説明していきます。
同じ建設業で働いている知人や業務でかかわった人の中で、理想とする働き方をしている施工管理職の人がいれば、直接聞いてみるのも一つの方法です。
ハローワーク(公共職業安定所)で、施工管理職を紹介してもらう方法もあります。
ハローワークは、厚生労働省管轄の公的な職業紹介支援機関です。利用者は雇用に関する手続きや相談などのサービスだけでなく、資格取得や技能習得の支援も受けることができます。
営業時間は平日のみ夕方までとなるため働きながらの利用は難しい場合もありますが、最近では「ハローワークインターネットサービス」も充実しており、就職候補先や転職候補先を勤務後に調べることができます。
パソコンやスマホ、タブレットから求人サイトやマッチングサイトを活用する方法もあります。
メリットとしては、いつでもどこでも利用可能な点です。仕事探しや応募、採用まで無料で利用できるため、働きながら就職・転職活動ができ、マイペースで進めることができます。
求人サイトの中でも、施工管理職に特化した求人サイトであれば同様の求人を比較検討しやすくなります。
また、細かい条件設定(給与・休日・残業時間・保有資格など)で検索することもでき、その条件に見合った企業や現場を探すことができます。
施工管理職としてホワイトな企業で働く方法を3つ説明します。
口コミサイトは、勤務したことのある会社での経験を会社の口コミ欄に記載できるようになっています。
企業サイトが提供する情報や転職エージェントが提供する情報がどこまで本当なのかは実際にはわかりませんが、口コミサイトの情報は、実際に働いていた人がその会社に対する本音を情報提供しているケースが大半となりますので、真実に近い情報を得ることができるでしょう。
その中でも高い評価を得られている会社であれば、希望に沿う会社である確率が高まります。
大手ゼネコンは、国土交通省が推進する「建設業働き方改革加速化プログラム」の導入を前向きに取り入れる傾向にあります。したがって、週休2日制や残業時間の縮小、社会保険の加入など、中小建設会社よりも徹底している会社が多くなります。有給取得について推奨している会社もありますので、大手企業に就職もしくは転職するメリットは大きいといえます。
ゼネコンなどの建設会社に直接就職する場合だけでなく、派遣会社を通じて建設業界に従事する方法もあります。
派遣会社を通じて建設業界に従事する方法のメリットとしては、以下などが挙げられます。
施工管理を派遣する企業では、未経験者に向けた研修を手厚く行っている場合が多いため、未経験でも安心して従事することができます。
派遣の場合は労働時間が「36協定」によりきちんと定められているため、過度な長時間労働は発生しません。
仮に残業が発生した場合はきちんと残業手当が付与され、休日出勤が発生した場合はその分の代休を取得することができます。
派遣の場合は契約期間に応じて様々な現場に携わることができるため、色々な経験を積むことができ、幅広い知識やスキルを習得することができます。
また、万が一就業先の現場が合わなかった場合でも、他の現場に簡単に移ることができる点も派遣ならではのメリットです。