2022年10月4日
2級管工事施工技術検定に合格するには、第一次検定・第二次検定を共に合格する必要があります。
しかし、第一次検定は学科試験、第二次検定は実地試験となるため、異なる勉強により対策を立てる必要があります。
そこで今回は、2級管工事施工技術検定の第一次検定・第二次検定の概要や勉強方法について、具体的に解説します。
勉強方法や勉強時間の目安を理解することができ、合格するための学習計画が立てやすくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
令和4年度の2級管工事施工管理技術検定の第一次検定試験日・試験時間は、以下の通りです。
令和4年11月20日(日)10:30~12:40
下記に主要問題や合格基準、合格率、難易度について解説します。
第一次検定は下表の検定科目の範囲とし、解答はマークシート方式で行います。
検定科目 | 検定基準 |
---|---|
機械工学等 |
|
施工管理法 |
|
法規 | 建設工事の施工の管理を的確に行うために必要な法令に関する概略の知識を有すること |
※参考元:「令和4年度 2級管工事施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定受験の手引き」一般財団法人 全国建設研修センター
具体的に、出題科目や出題数をまとめると下表の通りです。
問題 | 出題科目 | 出題数・選択数 | 必須・選択 |
---|---|---|---|
問題1~問題6 | 一般基礎、電気・建築 | 6問中6問解答 | 必須 |
問題7~問題23 | 空調・給排水生成 | 17問中9問解答 | 選択 |
問題24~問題28 | 機器材料・設計図書 | 5問中5問解答 | 必須 |
問題29~問題42 | 施工管理 | 14問中12問解答 | 選択 |
問題43~問題52 | 関連法規 | 10問中8問解答 | 選択 |
合計 | 52問中40問解答 | ― |
第一次検定の合格基準は、正答率60%以上です。全出題数52問中40問を選択し、24問以上正答すれば合格です。
平成29年から令和3年までの5年間、第一次検定合格率の推移を下表にまとめました。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
平成29年 | 12,982人 | 7,670人 | 59.1% | |
平成30年 | 前期:学科のみ | 2,559人 | 1,580人 | 61.7% |
後期:学科のみ | 977人 | 558人 | 57.1% | |
学科・実地試験 | 10,301人 | 5,873人 | 57.0% | |
令和元年 | 前期:学科のみ | 3,703人 | 2,052人 | 55.4% |
後期:学科のみ | 1,129人 | 718人 | 63.6% | |
学科・実地試験 | 9,118人 | 6,321人 | 69.3% | |
令和2年 | 後期:学科のみ | 2,813人 | 1,619人 | 57.6% |
学科・実地試験 | 9,535人 | 6,064人 | 63.6% | |
令和3年 | 前期:学科のみ | 4,518人 | 2,529人 | 56.0% |
後期:学科のみ | 2,510人 | 1,360人 | 54.2% | |
第一次・第二次検定 | 9,070人 | 4,406人 | 48.6% |
過去5年間の平均合格率は約60%となります。資格試験の難易度としては、やや易しい分類に入ります。
令和3年の第一次・第二次検定通しの合格率が48.6%となり、令和2年の学科・実地試験通しの合格率63.6%と比較すると、15%低下しています。
令和3年の第一次検定(学科試験)は、問題を難しくしたと考えられます。令和4年にもその傾向が続くのか否かは、注目です。
第一次検定の勉強方法や、合格に必要な勉強時間、出題科目別の目標正答数について解説します。
第一次検定に合格すると、新規資格である「2級管工事施工管理技士補」となります。技士補になると、第一次検定が免除され、第二次検定を何度でも受験することができます。
第一次検定では、過去問と同様の問題が出題される可能性が高くなります。そのため、過去問を繰り返し解いて完全にマスターしておくことが、勉強方法の基本と言えるでしょう。
過去10年分の過去問を3回繰り返して解くことにより、出題傾向がわかります。
過去問演習の1回目は、正答率が低くても解説を読みこなして理解することに努め、過去問演習の2回目は、合格基準点(正答率60%)を目指して解き、誤答した問題は徹底的に理解するように努めます。そして、過去問演習の3回目は、ほぼ満点を目指して解答できるようにしましょう。
過去10年分の過去問演習の正答率が100%近くになれば、第一次検定を合格する可能性は非常に高いと言えるでしょう。
合格基準は正答率60%以上なので、苦手な分野がある場合でも、他の分野で多く正答すれば十分に合格が見込めますので、得意分野で多くの正答を出すことが合格への近道です。
合格に必要な勉強時間は、管工事施工に対するキャリアの違いにより異なります。
勉強時間の目安を下表にまとめました。
受験者のレベル | 合格に必要な 総勉強時間の目安 |
日常の勉強時間の目安 | |
---|---|---|---|
平日 | 土日祝 | ||
管工事の経験・知識が無い受験者 | 200時間、4ヶ月間 | 1~2時間 | 2~3時間 |
他の2級施工管理技士の資格所持者 | 120時間、3ヶ月間 | 1~2時間 | 1~2時間 |
2級「配管」(建築配管作業)資格所持者 | 80時間、2ヶ月間 | 1時間 | 1~2時間 |
管工事の経験・知識が無い受験者の場合、専門用語の理解から始める必要があります。参考書などで基礎知識を身に着けた上で、過去問に取組むのが良策です。
また、ある程度管工事の経験がある受験者については、専門用語の理解ができる場合、いきなり過去問から始めるのも一つの方法です。
合格基準は、40問中24問(60%)以上正答することです。
具体的に目標とする正答数を28問(70%)に設定し、出題科目別に正答数を挙げると下表の通りになります。
出題科目 | 解答数 | 目標正答数 |
---|---|---|
一般基礎、電気・建築 | 6問 | 4問 |
空調、給排水衛生 | 9問 | 7問 |
機器材料、設計図書 | 5問 | 4問 |
施工管理 | 12問 | 9問 |
関連法規 | 8問 | 5問 |
合計 | 40問 | 28問(70%) |
必須科目である「一般基礎、電気・建築」「機器材料・設計図書」は高得点を狙いにいった方が、勉強効率も良いです。
「空調、給排水衛生」は、17問中9問を選択して解答する科目です。解答する問題の取捨選択が最も割合の高い科目となりますので、この科目も高得点を狙いにいきましょう。また、「空調、給排水衛生」は第二次検定でも出題される科目です。過去問と同時に参考書とも併せて学習し、二次試験対策も兼ねて行うと、効率よく進めることができるでしょう。
「施工管理」は、業務に直結する科目となります。また、解答数も一番多い科目であるだけに、12問中最低でも9問は正答できるようにしましょう。
「関連法規」は、苦手に感じる人が比較的多くなる科目です。過去問を反復学習して、8問解答中5問正答を目指しましょう。
以上の正答数を目指して学習を進めるようにしましょう。仮に2~3問取りこぼしたとしても、合格ライン上にありますので、解答数の多い科目を得意科目にすることが鍵となります。
令和4年度の2級管工事施工管理技術検定の第二次検定試験日・試験時間は、以下の通りです。
令和4年11月20日(日)14:00~16:00
下記にて主要問題や合格基準、合格率、難易度について解説します。
第二次検定は、記述式の筆記試験で、下記の知識や能力の有無を問われる問題となります。
具体的に出題科目や出題数をまとめると、下表の通りです。
問題 | 出題科目 | 出題数・選択数 | 必須・選択 |
---|---|---|---|
問題1 | 施工要領図 | 1問中1問解答 | 必須 |
問題2 | 空調設備の施工時の留意点 | 2問中1問解答 | 選択 |
問題3 | 給排水設備の施工時の留意点 | ||
問題4 | バーチャート作成 | 2問中1問解答 | 選択 |
問題5 | 法令 | ||
問題6 | 施工経験記述 | 1問中1問解答 | 必須 |
合計 | 6問中4問解答 | ― |
第二次検定の合格基準は、正答率60%以上です。
平成29年から令和3年までの5年間、第二次検定合格率の推移を下表にまとめました。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成29年 | 14,449人 | 5,903人 | 40.9% |
平成30年 | 13,694人 | 5,537人 | 40.4% |
令和元年 | 13,064人 | 5,760人 | 44.1% |
令和2年 | 12,678人 | 5,514人 | 43.5% |
令和3年 | 13,099人 | 6,054人 | 46.2% |
過去5年間の平均合格率は約43%となります。資格試験の分類としては並の分類に入ります。
ただし、管工事の経験や知識が浅い状態から受験するとかなり難しい試験となりますので、しっかりとした準備は必要になります。
第二次検定の勉強方法や、合格に必要な勉強時間について解説します。
第二次検定は全て記述式の問題で、出題6問中から必須問題2問、選択問題2問の計4問を解答する必要があります。
出題内容としては、主に以下などが出題されます。
これらの出題傾向はある程度一定しており、過去問を繰り返し解くことで対応できます。
管工事の経験記述のテーマは、管工事の施工管理にあたり「品質管理・工程管理・安全管理」の3つのテーマの中から2つのテーマが出題されます。どのテーマが出題されても想定される解答を準備しておき、スムーズに記述できるようにしておくことが必要です。
合格に必要な勉強時間の目安を下表にまとめました。
合格に必要な総勉強時間の目安 | 日常の勉強時間の目安 | |
---|---|---|
平日 | 土日祝 | |
80時間、2ヶ月間 | 1時間 | 1~2時間 |
2級管工事施工技術検定の第一次検定・第二次検定の概要や勉強方法について、具体的に解説しました。
第一次検定・第二次検定ともに、合格基準は60%以上の正答率となります。合格基準に達するためには、過去問の過去10年分を最低でも3回は繰り返し解いて理解し、マスターすることが鍵となります。
建設業界におけるスキルアップ・キャリアアップ・年収アップのためにも、2級管工事施工管理技士の資格取得にチャレンジするとよいでしょう。