2023年5月22日
建物にとって重要なパーツである外壁。雨風や台風などさまざまな気候から守るという大切な役割を担っています。そんな外壁ですが、手入れをしている建物とそうでない建物では、経年劣化のスピードや建物の印象が大きく異なります。
とはいうものの、外壁の耐用年数や塗り替えの目安などはあまり知られていないので「いつ手入れをしたらいいのか?」と疑問に感じている方も多いはずです。そこで今回は「外壁工事」をテーマに、外壁工事の必要性や種類などを詳しく解説します。
そもそも外壁工事とは、名前の通り「外壁」にまつわる工事を行うことです。例えば、建物の仕上げをする塗装工事やサイディング材などの仕上げ材を貼る工事なども挙げられます。外壁は放置していると汚れるだけでなく、外壁自体の劣化につながります。また、外壁の劣化を放置しておくと、外壁以外の建物(内部)まで腐食してしまう恐れがあります。建物を安全な状態で保っておくためにも、外壁工事を実施し、定期的にメンテナンスすることが必要です。以下では外壁工事の必要性について、詳しく解説します。
一つ目は、建物をキレイな状態で保っておくためです。建物は年数が経つにつれて、色褪せてきたり、汚れが目立ったりしていきます。また、日当たりの悪い場所にある建物の場合、カビやコケなどが生えていることもあるでしょう。外壁は面積が大きい分、人の目に触れやすい場所で、かつ個人でのメンテナンスが困難です。
塗装の場合は塗り直しをしたり、サイディング張りの場合は目地部分にシーリング材をメンテナンスすることが必要になるでしょう。
二つ目は、雨風から建物を守るためです。そのためには「防水性能の維持」は欠かすことはできません。雨風から建物を守るためには、シーリング材や外壁のクラックは修理する必要がありますし、定期的にメンテナンスをすることで、大規模な工事をせずとも性能を維持することができます。大規模な外壁工事が発生してしまうと費用もかかるので、出来るだけ定期的に実施するようにしましょう。
続いて、外壁工事の種類について紹介します。
一つ目は「塗装工事」です。塗装工事とは外壁の上に塗料を塗る工事のことです。外壁用の塗料は、紫外線カットや雨で汚れが流れやすくなるセルフクリーン機能がついているものもあり、目的に合わせて塗料を選ぶと、状態を保ちやすくなります。また、経年劣化した建物の場合は、塗料の性能が低下している恐れがあるので、塗装工事で外壁本来の機能を復元させることが必要になります。
塗装工事のメリットは、他の工事よりも安価に行える点と、手に届く高さの簡単な補修程度だったら自分で行える点です。一方でデメリットとしては、塗り替えなどの大規模工事の場合は養生などの必要があることです。
二つ目は「重ね張り工事」です。重ね張り工事とは外壁のメンテナンスなどで行われ、古い外壁を撤去せず、その上から新しい外壁を張り付ける工事を指します。この工事は「カバー工法」とも呼ばれ、下地部分や基礎部分はそのままで建物の外観を新しくすることができます。そのため、古い外壁の撤去せずに行えるので、解体費や施工日数などを抑えられるメリットがあります。また、外壁が二重になるので、遮音性能と断熱性能をあげることができます。ただし、下地補修などができないため、見えない部分の劣化が進んでしまう危険性はデメリットと言えるでしょう。
三つ目は「張り替え工事」です。これも重ね張り工事と同じく、外壁のメンテナンス工事になります。異なる点としては「既存の外壁を撤去するかどうか」にあります。張り替え工事の場合、古い外壁を全て撤去して新しい外壁を張り付けるため、外観のイメージチェンジが可能です。また、外壁内側の下地部分から補強が可能になるので、建物の状態を改善したい方にオススメです。しかし、工事としては解体時の粉塵や騒音が発生することや、他の工事よりも後期と費用がかかってしまうことは頭に入れておきましょう。
四つ目は「補修工事」です。塗装が剥がれてしまった部分だけを塗り直したい場合や、建物のクラック部分を直したいといったときに行う部分的な工事です。トラブルのある箇所をピンポイントで直すため、施工時間や費用を削減できる点がメリットとして挙げられます。困っている箇所がある場合や、簡易的に修繕したい場合にオススメです。
続いて、外壁工事の工程と期間について解説します。全体の工程は下記の通りです。
外壁工事は施工面積によって工事期間が異なりますが、だいたいの期間は下記の通りです。
| 塗装工事 | 約1~2週間 |
|---|---|
| 重ね張り工事 | 約1~2週間 |
| 張り替え工事 | 約2~3週間 |
| 補修工事 | 約1日~1週間 |
ただし、天候によっては工事を実施できないこともあるので、工事期間は余裕を持って設定することをオススメします。
最後に、外壁工事を行った方が良いタイミングについて解説します。
建物の経年劣化や、地震などの災害によって外壁にヒビが入ることがあります。とくに広範囲にわたるヒビや、深いヒビの場合は外壁としての防水性は低下している可能性が高いです。また、小さなヒビでも放置しておくと徐々に広がる恐れがあるので、ヒビを見つけた場合は修繕することをオススメします。
外壁がサイディングの場合、経年劣化とともに外壁が反ることがあります。下地から外壁材が浮いて隙間が発生してしまい、外壁の防水性が著しく低下します。また、雨などの侵入が定期的に起こると構造材の腐食などにも繋がってしまうので、反りを見つけたときは迅速に修繕しましょう。
外壁が剥がれている場合も、上記と同様に雨水などが侵入して内部が腐食する原因になります。腐食が進んでしまうと、外壁修繕では改善されず、建物の立て直しまで検討しなければならなくなります。外壁が剥がれている場合も、早急に工事を行いましょう。
外壁は周囲の影響を受けやすい場所なので、何かの原因で部分的に破損してしまうことがあります。小さな破損でもそのまま放置していると、ひび割れや雨漏りなどの原因になりかねません。破損を見つけた際にも、早めに修繕することをオススメします。
外壁工事は、建物の状態を保つ上でも重要な工事です。汚れや破損を放置していると、外壁自体の劣化につながり、外壁以外の建物(内部)まで腐食してしまう恐れがあります。建物を安全な状態で保っておくためにも、定期的に外壁工事を行うようにしましょう。
