2023年5月23日
建設現場において施工管理は、必要不可欠な存在です。しかし「施工」という言葉は建設業界で使われる言葉であるため、業界経験者ではない方にとって、あまり耳にしない言葉ではないでしょうか。そこで今回は「施工」をテーマに似たような言葉との違いや、オススメの資格について詳しく解説していきます。作業員や施工管理職などのジョブチェンジを検討している方は必見です。
そもそも「施工(せこう)」とは、計画された工事を実施することを指します。建設業界では設計図や仕様図をもとに、実際に建築物やインフラ整備などを行うことを言います。慣用読みとして施工(しこう)と読むこともあり、「しこう」と「せこう」どちらの読みも正しいのですが、「せこう」の読み方が一般的です。
建設業界で人気のある「施工管理」の仕事は、まさに「施工」を「管理」する仕事になります。計画された工事を実施するために工程や予算、人員などを調整し、工事内容がきちんと完遂するように現場で指示を行う仕事です。
「施工」とよく混同されるのが「施行」や「着工」「竣工」などの言葉です。以下では、「施工」との意味の違いについて解説します。
「施行」は法令関係で使う言葉です。建築関連で使用する「施工」とはまったく異なる言葉になるので注意しましょう。ちなみに「施行」は、政策や計画などを実際に行うことや、法令の効力を発生させることを指します。例としては「新しい法律が施行される」というように使い、そもそも意味が異なることがわかるでしょう。
「着工」は、施工と同じく工事関連で使用する言葉ですが、意味は異なります。上記でも説明した通り、施工は計画された工事を実施することを指します。その一方で、着工は工事を始めたことを指します。「施工」となると工事を行う期間すべてを言いますが、「着工」は工事に取り掛かった日を指すので、時期の捉え方が異なります。
「竣工」は、工事を終える日を指す言葉です。着工が開始日を指す一方で、竣工は工事の完了日を指す言葉になります。つまり、工事を行う期間すべてを指す「施工」とは意味が異なるので注意しましょう。
施工主(せこうぬし)は、発注者から注文を請けて、工事を行う中心となる業者です。建設業界では、ゼネコンや大手の工務店などを指すことが多いです。その一方で施主は、発注者のことを指します。似たような言葉ではありますが意味が異なるので注意しましょう。
施工管理は、施工を管理する者ということで、建設現場において工事を取りまとめる監督を指します。その中でも「施工管理技士」は、中規模〜大規模の建築現場を監督できる国家資格なので、施工管理を目指す方にとって人気の高い資格になります。施工管理技士は、担当する工種によって資格の種類が異なるので、施工管理技士を目指す方は自分の仕事にあった資格の種類を探してみましょう。
最後に、施工管理技士の資格について紹介します。
建築施工管理技士は、さまざまな建設現場で監督が行える国家資格です。資格には1級と2級があり、担当できる工事規模が異なります。1級建築施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者・監理技術者として現場配置が可能になり、大規模工事に携わることができます。その一方で、2級建築施工管理技士の資格は、主任技術者として現場配置になるため、外注総額税込4000万円未満の規模、つまり小〜中規模の現場責任者として業務を行うことができます。
土木施工管理技士は、土木工事の総監督として施工計画の作成や品質管理、安全管理などを行う管理者です。この資格は国家資格で、1級と2級があります。知識と経験をもった管理者の明石であり、この資格を有していると中規模や大規模の現場で責任者として業務に就くことができます。土木関係の仕事でスキルアップを目指している人は、取得すべき資格のひとつと言えるでしょう。
管工事施工管理技士は、配管工事の施工管理に関わる高い技術と知識を持つ専門家として認められる国家資格です。主に空調設備や給排水設備などの施工管理として、現場に携わることができます。その中でも1級管工事施工管理技士は2級よりも試験難易度が高いため、合格すると様々な権限が与えられます。
電気工事施工管理技士は、電気工事の施工管理に関わることのできる管理者の資格です。1級電気工事施工管理技士を取得すると、特定建設業の営業所ごとに配置が義務付けられており、専任技術者・主任技術者・監理技術者として業務に携わることができます。一方で、2級電気工事施工管理技士を取得すると、一般建設業の事業所に配置が義務付けられています。
建設機械施工技士は、建設機械を使った工事の品質管理や安全管理に必要な国家資格です。建設機械を使った工事に関する計画や、実際に関わる現場の施工・工程・品質・安全などを管理します。建設機械を使うと効率的に作業が行える一方で、操作を誤ると周囲に危険をもたらす可能性があります。だからこそ建設機械施工技士は、自身が考案した安全な作業計画を実施させることが大切です。また、この資格は建築施工管理技士と同じく国家資格なので、資格取得後は様々な現場に関わることができます。
「施工」とは計画された工事を実施することで、建設業界では設計図や仕様図をもとに、実際に建築物やインフラ整備などを行うことを指します。また、施工管理を行う際、施工管理技士の資格を持っていると、スキルアップや昇進・昇給などキャリアアップの後押しになります。転職を希望する方にとっても、国家資格を取得している場合は条件交渉が有利に働きます。施工管理としてステップアップを図りたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。