電気工事士の年収はどれくらい?収入を上げる方法や仕事内容もご紹介
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電気工事士の年収はどれくらい?収入を上げる方法や仕事内容もご紹介

2023年8月31日

電気は暮らしに欠かせないものだからこそ、その電気設備を整える「電気工事士」は私たちの生活を支えている重要な仕事です。とはいうものの、駆け出しの電気工事士の場合、「給料が低くて心配…」「見習い期間はいつ終わるの?」と不安を感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、電気工事士の年収をテーマに、年収を上げる方法や仕事内容などを詳しく紹介します。電気工事士を目指している方や、これからステップアップを検討されている方は最後までご覧ください。

 


 

電気工事士の年収

そもそも「電気工事士」とは、電気設備の工事を行うために必要な国家資格です。電気設備の施工や保守点検などの電気工事を専門に行う技術者で、建物や施設における電気設備の設計、配線、取り付け、接続、テスト、修理などを担当します。
電気設備工事は正しい施工知識と経験が問われるため、施工を行う際には第一種または第二種電気工事士の資格が必要になります。また施工対象は、住宅、商業施設、工場、公共施設など多岐にわたり、いろいろな現場でさまざまな経験を積むことができる仕事です。そのため、電気工事士の年収は、年齢や経験値によって大きく変わります。電気工事士の全体の中央値は370万円と言われていますが、資格取得やキャリアによって異なります。

勤務年数に応じて高くなる

一つ目は「勤続年数」に応じて変化します。具体的にいうと、勤続年数に応じて年収が高くなる企業が多いです。これは、勤続年数から電気工事士のスキルや勤務態度が把握でき、正当な評価がしやすくなるためです。また、経験値が増えると難易度の高い現場を任されたり、昇進したりするケースも多いので、その評価に伴い年収が上がります。

 

キャリアによって変わる

二つ目は「キャリア」によっても変化します。たとえば、第二種電気工事士の資格を持っている人が第一種電気工事士の資格も取得すると、担当できる物件の幅が広がり、年収アップのきっかけとなります。また、電気工事士は技術職なので、様々な物件でキャリアを積むと、その分職人としてのスキルが向上して年収も変化します。さまざまな経験を経て転職をすると、大幅な年収アップも見込めるでしょう。

 

電気工事士が年収を上げる方法

続いて、電気工事士が年収を上げる方法について紹介します。以下では下記の5つの方法を解説します。

  • 第一種電気工事士の資格をとる
  • 電気工事施工管理技士の資格をとる
  • 第三種電気主任技術者の資格をとる
  • キャリアを積む
  • 独立する

 

第一種電気工事士の資格をとる

一つ目は「第一種電気工事士」の資格をとることです。第一種電気工事士の免許を有していると、扱える電圧の幅が広がり、工場やビルなどの大規模な現場に対応できるようになります。これは、一般の住居や小規模の店舗に限られる第二種電気工事士とは異なるため、作業できる工事範囲が広がります。電気工事士としてキャリアアップを目指す方は、必ず第一種電気工事士の免許取得を目指してみましょう。

 

電気工事施工管理技士の資格をとる

二つ目は「電気工事施工管理技士」の資格をとることです。電気工事施工管理技士とは、電気工事の施工管理を行うための国家資格です。専門知識が問われる電気工事の管理者には「電気工事施工管理技士」の資格が必要になります。また、難易度の高い資格だからこそ、転職やキャリアアップに有利に働きます。前述の第一種電気工事士と一緒に取得すると、幅広い現場で重宝されるでしょう。

 

第三種電気主任技術者の資格をとる

三つ目は「第三種電気主任技術者」の資格をとることです。電気設備の管理や監督を行うための資格の一つで、この資格を取得すると、出力5000キロワット以上の発電所を除く、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持および運用の保安の監督を行うことができます。主に、工場や建築物などの電気設備の管理者が取得することが一般的で、電気主任技術者になれば、電気設備の保安監督という仕事に従事することができるので、さらに幅広い仕事ができて年収アップに繋がるでしょう。

 

キャリアを積む

四つ目は、電気工事士としての「キャリアを積む」ことです。電気工事士は技術職なので、幅広い経験や知識をもった方が必要になります。また、企業としては後世の職人を育てることも重要なので、キャリアのある電気工事士には手厚い優遇があるでしょう。必要な資格を取得して、さまざまな現場で経験を積むことは年収アップの近道でもあります。

 

独立する

五つ目は、「独立する」ことです。スキルや資格を有していて人脈のある方の場合は、独立することで年収アップになることもあります。独立すると給料制ではなくなるため、工事金額によっては、大幅な年収アップが期待できます。ただし、職人としてのスキルはもちろん、営業や交渉スキルなども必要になることを覚えておきましょう。

 

電気工事士の仕事内容

電気工事士の仕事内容は、多岐にわたります。以下では、電気工事士の仕事の一部を紹介します。

エアコンの取替工事

一つ目は、エアコンの取り替え工事です。エアコンは電気を供給して動く機械なので、接毒の際には電気工事士の資格が必要になります。エアコンの機械は別の設備業者が設置して電源だけ繋ぐケースもあれば、小規模であれば全ての設置を行うこともあります。

 

屋内・外配線工事

二つ目は、屋内や屋外の配線工事です。この作業が電気工事士の主な仕事になります。分電盤から照明器具や設備器具へ配線を行い、電源を供給します。資格や工事区分によっては分電盤の設置から行うこともあるので、工事区分を確認して作業を行うようにしましょう。

 

鉄道電気工事

三つ目は、鉄道電気工事です。架線工事や発電設備の工事など、電車や駅に電気を送るための工事を担います。電車に電気を供給するための発変電設備、電車線路設備、送電線設備のほか、駅舎等の負荷設備である電灯・電力設備、電車の安全運行を支える信号設備、そして最新の技術を駆使した通信設備と多岐にわたるため、幅広い知識が必要になります。

 

建築電気工事

四つ目は、建築電気工事です。建設電気工事とは、建物の電気設備の設計や施工に関する工事全般を指します。 具体的には、屋外にある電線を建物の中に引き込む外線配線工事や、引き込んだ電線を各フロア・部屋に巡らせるように配線を繋ぐ屋内配線工事などが挙げられます。また、設置した器具のメンテナンスや点検などを行う仕事もあり、安定した仕事と言えるでしょう。

 

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い

電気工事士には2種類あり、第一種電気工事士と第二種電気工事士では作業可能な範囲などが異なります。以下では、それぞれの資格の違いについて紹介します。

作業範囲

第一種電気工事士 第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事可能
第二種電気工事士 一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事可能

 
第一種電気工事士は第二種電気工事士の作業範囲も担当できるため、幅広い現場に対応することができます。また、第一種電気工事士の方が扱える電圧の幅が広いので、大規模案件の経験を積むことができるでしょう。

ただし、第一種電気工事士の資格を取得するためには、3年以上の実務経験が必要になります。経験が浅い方はまず第二種電気工事士の資格取得から目指すようにしましょう。

 

試験の難易度

電気工事士試験は、国家資格の中では難易度が比較的低いと言われていますが、第一種電気工事士と第二種電気工事士では、合格率が異なります。
合格率は受験年度や受験場所で変化しますが、大体の目安でいうと第一種電気工事士試験の合格率は、学科試験は40%前後で、技能試験は60%前後と言われており、一方で第二種電気工事士試験の合格率は、学科試験は60%前後で、技能試験は70%前後と言われています。比較すると、第一種電気工事士の方が難易度は高くなりますが、他の国家資格と比較すると合格率は高い傾向にあります。受験対策は必要になりますが、挑戦しやすい国家資格と言えるでしょう。

 

将来性

第一種電気工事士と第二種電気工事士は、どちらも「電気」という人々の暮らしのインフラを支えている重要な仕事です。繁忙・閑散の差はあっても、仕事がなくなる心配はないでしょう。ただし、電気工事士としてキャリアアップを考えているようであれば、必ず「第一種電気工事士」の資格はとることをオススメします。幅広い現場での経験を積むことができて、安定した仕事が得られるはずです。

 

年収

冒頭で説明した通り、電気工事士は「勤続年数」や「キャリア」によって左右される仕事です。そのため、第一種電気工事士と第二種電気工事士の資格では、年収に差が出るでしょう。また、第一種電気工事士の資格を取得していて、さらにステップアップをしたい方は、他の資格を取得したり、転職を検討したりすることをオススメします。電気工事士は人手不足になっている仕事なので、転職をするだけで現在の年収を大きく上回る可能性があります。
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まとめ

電気工事士としてキャリアを積むと、さまざまな方法で昇給・昇進できて年収アップが期待できます。また、職人としてのキャリアだけでなく、施工管理や電気にまつわる仕事に転職も可能なので、新しい環境で刺激を得ながら強みを発揮することも可能です。

 


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