2023年11月27日
施工管理は、建設現場を指揮する重要な役割です。モノづくりの最前線を担当する仕事ということもあり、施工管理に憧れを持っている方は多くいます。しかし、施工管理は知識や経験が求められる仕事なので「施工管理者として成功できるか…?」と不安に感じる方もいるでしょう。
そこで今回は「施工管理」に着目し、仕事内容や必要なスキルなどを詳しく解説します。これから施工管理になろうと考えている方は必見です。
そもそも施工管理とは、建設現場で行われている工事が計画通り進行し、品質を確保するために監督・管理する役割を指します。実際に作業を行う作業員とは異なり、現場で作業することはありません。工事全体を俯瞰して把握することが重要で、作業員に的確な指示を出すことが求められています。
施工管理者が管理する項目は主に4つで、スケジュールを管理する「工程管理」、施工のクオリティを担保する「品質管理」、現場の安全対策を行う「安全管理」、そして工事費用を管理する「コスト管理」などがあります。他にも、関係者との打ち合わせや工事資料作成などが挙げられます。以下では、施工管理の仕事について紹介します。
建設現場は危険と隣り合わせの仕事であるため、現場の安全管理は仕事の中で最優先事項に挙がります。施工管理者は、作業員や関係者の安全を確保するための対策を計画・実施し、危険な状況を予測してリスクを軽減する工夫を行わなければなりません。事故を最小限に抑えるための取り組みとして、安全教育やルールの周知・徹底を率先して行います。
施工管理者は、建設現場の品質を確保するために、設計図や仕様に従って作業が行われているかをチェックし、図面と異なる場合は是正指示を出します。また、自社の施工基準がある場合は、それに乗っ取って施工できているかを確認し、写真や動画などで記録します。材料の選定や施工方法の確認、検査・テストの実施などを通じて、高品質な建設物が完成するよう管理することが求められます。
施工管理者は、クライアント、設計者、職長、作業員と様々な人と関わりながら仕事を進めていくため、プロジェクトの進捗や課題、解決策について関係者との密なコミュニケーションが重要です。プロジェクトオーナーや関係者に対して進捗状況や変更点などを報告し、透明性を保ちながら連携を図ることも仕事のひとつです。
施工管理者は、工程スケジュールの策定や資材の手配など、プロジェクトの計画を立案し、手配を行います。作業の順序やタイミングを調整し、プロジェクトが効率的に進行するように計画しなければなりません。また、現場作業に応じて、搬出入や産業廃棄物の手配を行うのも施工管理者の仕事になります。
プロジェクトの予算とスケジュールの管理は重要な要素です。施工管理者は、予算内で資材や人材を効果的に使い、工程が適切なペースで進行するよう管理します。必要に応じて調整を行い、コストとスケジュールのバランスを保ちます。企業として利益をあげるためには、徹底した原価管理が欠かせません。施工方法の工夫や業者との交渉を行い、適正な価格にコントロールすることも重要になります。
建設現場は、安全性や作業効率を確保するために清潔に保たれる必要があります。施工管理者は、現場の清掃や整理整頓を指導し、作業環境を快適で安全なものに保ちます。施工現場が整っている状態は、事故の抑制にも繋がります。建設現場は些細なトラブルから大怪我になりかねないので、常に現場環境の状態に気を配るようにしましょう。
建設プロジェクトの円滑な進行と品質確保を担う施工管理職。その役割は重要であり、様々なスキルと資質が求められます。ここでは、施工管理職に必要な主要なスキルと資質について5つのポイントを紹介します。
施工管理者は、工事に関する幅広い知識が必要です。設計図や仕様書を正しく理解し、資材や施工方法について様々な知識を持つことで、品質の高い工事が実現できます。そのためにも、様々な現場で実際に学び、触れていくことが不可欠と言えるでしょう。
建設現場では、予測不能な課題や困難が発生することが多々あります。人的ミスから生じた課題や現場の要件的に実現不可能な場合など、さまざまなケースが想定されます。しかし施工管理者は、どんな場合においても問題を迅速に解決する力が求められます。適切な対処法を見つけるための洞察力や分析能力が必要であり、柔軟な発想で臨機応変に対応することが求められるでしょう。
建設現場では、細かな部分まで注意を払うことが品質確保に繋がります。施工管理者は、1mm単位でチェックを行い、設計図や仕様書に基づいて作業が進んでいるかを常に確認する必要があります。万が一図面と異なる場合は、適切な資材の使用や施工手順を伝え、作業員に是正指示を出さなければなりません。些細な問題も見過ごさない注意力は施工管理者にとって必要な能力です。
施工管理者は、プロジェクトの関係者と円滑なコミュニケーションを図る役割です。プロジェクトオーナーや設計者、作業員、協力業者とのコミュニケーションを円滑に行い、情報や課題の共有を行う必要があります。そのため、課題発見から解決策の立案までを行い、その意見を正確に伝えるスキルが必要です。適切な情報伝達が行われることによって、プロジェクト全体の進捗をスムーズに管理することができます。
施工管理者は現場のリーダーであるため、コミュニケーションだけでなく、リーダーシップも不可欠になります。作業員や現場スタッフを指導し、現場が竣工するまでの道筋をつくらなければなりません。また、チーム全体の一体感をつくり、お互いが協力して竣工までの道のりを達成するためのチームワークも重要になります。チームワークが築けている現場とそうでない現場では、作業効率や現場の雰囲気が大きく異なります。
施工管理の仕事は知識と経験が問われる仕事です。だからこそ、新人施工管理者の方は、仕事に慣れるまでは不安に感じることも多いでしょう。以下では、新人施工管理者が成功するためのポイントについて紹介します。
新人施工管理者に必要なのは、現場に関する知識です。実際は経験から学ぶことが多いですが、継続的に学習する習慣を身につけましょう。現場で教えてもらったことの復習や、建築の基本などが学べる専門書などを活用することで、知識を深めることができます。建設業界のトレンドや法律の変更などに対応できる知識を養いましょう。
施工管理者としてのスキルを高めるために、資格取得やスキルアップが有効です。「施工管理技士」といった施工管理に関連する資格を取得することで、自信を持ってプロジェクトを進行できるようになります。国家資格を取得すると大きな現場にも配置されやすくなるため、様々な経験を積むことができるでしょう。
新人施工管理者は、先輩施工管理者と作業員との間に立って現場仕事を調整することもあります。だからこそ積極的に周囲とコミュニケーションをとり、良好な関係を築くことは重要になります。
作業員や関係者との円滑な情報共有は、プロジェクトの成功に不可欠です。わからない時は積極的に質問し、能動的な姿勢を取るように心がけましょう。
作業員や先輩施工管理者との良好な関係性は、施工管理者としての財産になります。経験豊富な先輩からのアドバイスや指導を受けることで、実践的な知識と洞察力を得られるでしょう。また、作業員との信頼関係は円滑な現場進行に不可欠です。また、困ったときに支えてくれる仲間のような存在になるため、積極的に交流を深めるようにしましょう。
施工管理者はハードな一面もありますが、その分やりがいのある仕事です。そして、建設業界は常に変化し続け、新たなチャンスと挑戦が待っています。施工管理者として学習したことや体験、資格などは将来のキャリアを広げるきっかけとなるでしょう。
施工管理として成長するためには、各ポイントを確実に実行し、多くの現場で実績を積む必要があります。一つ一つの現場に真摯に取り組むと学びが得られて、施工管理者として成長していきます。施工管理は今後も需要の高い仕事なので、自身のやる気や理想のキャリアに合わせてステップアップできる機会があります。チーム作業が得意な方や、リーダーシップを発揮できる仕事をしたいと考えている方は、ぜひ転職を検討されてみてはいかがでしょうか。