【建設/資格】2級土木施工管理技士とは?試験内容や取得方法を解説
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【建設/資格】2級土木施工管理技士とは?試験内容や取得方法を解説

2020年11月10日

土木施工管理技士は、建設に関わる施工管理技士の資格のひとつで、公共工事や大規模工事などの工事現場に配置しなければならない「主任技術者」や「管理技術者」になるために必要な国家資格です。
2級土木施工管理技士になるためには、受験資格の条件や所定の実務経験を満たしている必要があります。

本記事では、2級土木施工管理技士についての基礎知識から、受験資格の条件や試験内容、さらに資格取得方法について詳しく解説していきます。

 

土木施工管理技士とは

土木施工管理技士には1級資格と2級資格があり、国土交通省から指定を受けている一般財団法人全国建設研修センターが試験を実施しています。
土木施工管理技士は、道路や鉄道、トンネル、橋梁、上下水道などといった私たちのライフラインの基礎となる施設工事の現場監督責任者として従事しています。
主に、現場を円滑に動かすための施工計画の作成や工程管理の調整、構造物が正確に作られているかチェックするための品質管理や作業員の安全管理、さらに、工事を進めるための許可申請手続きや、周辺住民への説明といった幅広い業務を担っています。
また、下請けや元請けと円滑なコミュニケーションを図り、リーダーシップを発揮して工事を完遂することも、土木施工管理技士に課せられた大切な役割です。

 

2級土木施工管理技士の役割

2級土木施工管理技士は、工事現場の「主任技術者」として業務に就くことができます。
工事現場では、元請け工事や下請け工事に関わらず、監理技術者を必要とする工事以外の全ての工事で主任技術者を配置する必要があります。
また、有資格者を配置することで企業の経営規模や技術力としても評価されるため、公共工事などの入札受注における入札資格などにも影響します。このように、2級土木施工管理技士の資格は土木工事の主任技術者として活躍するばかりでなく、企業にとっても極めて重要な存在と言えるでしょう。
2級土木施工管理技士の資格は「土木」「構造物塗装」「薬液注入」の3種類があり、合格した各専門分野の主任技術者として活躍することができます。

 

2級土木施工管理技士の受験資格

2級土木施工管理技士の受験資格は、「学歴」や「実務経験」などによって細かく設定されています。

第1次検定のみ受験

第1次検定のみ受験の場合、試験年度中における年齢が17歳以上の方のみ受験可能となっています。
※令和3年度の場合は生年月日が平成17年4月1日以前の方が対象です

 

第1次・第2次検定同時受験

次のいずれかに該当する者
※実務経験年数は、令和3年度試験前日までで計算してください。

学歴 受験に必要な実務経験年数
指定学科卒業後 指定学科以外卒業後
大学
専門学校「高度専門士」
1年以上 1年6ヶ月以上
短期大学
高等専門学校
専門学校「専門士」
2年以上 3年以上
高等学校
中学教育学校
専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く)
3年以上 4年6ヶ月以上
その他 8年以上
表引用元:一般財団法人全国建設研修センター 受験資格

 

第2次検定のみ受験

下記のいずれかに該当する方

当年度の2級土木施工管理技術検定・学科試験の受験者(「学科試験のみ受験者」を除く)
1 令和元年度2級土木施工管理技術検定の学科・実地試験の学科試験合格者
2 平成28年度の学科試験のみ合格者で、上表の2級土木施工管理技術検定学科・実地試験の受験資格を有する者
3 技術士法による第2次試験のうち技術部門を建設部門、上下水道部門、農業部門(選択科目を「農業土木」とするものに限る。)、森林部門(選択科目を「森林土木」とするものに限る。)、水道部門(選択科目を「水産土木」とするものに限る。)又は総合技術監理部門(選択科目を建設部門もしくは上下水道部門に係るもの、「農業土木」、「森林土木」又は「水産土木」とするものに限る。)に合格した者で2級土木施工管理技術検定の学科・実地試験の受験資格を有する者
4 学校教育法による大学を卒業した者で在学中に施工技術検定規則(以下「規則」という。)第2条に定める学科を修め、かつ卒業後1年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格(在学中の合格も含む。以下同じ。)し、卒業した後4年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
5 学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ卒業後2年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後5年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
6 学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(短期大学又は高等専門学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る。)し、短期大学又は高等専門学校を卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
7 学校教育法による高等学校又は中学教育学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ卒業後3年以内に平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し3年以上の実務経験を有する者
8 学校教育法による高等学校又は中学教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業(高等学校又は中学教育学校在学中及び短期大学又は高等専門学校在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る。)し、高等学校又は中学教育学校を卒業した後7年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
9 学校教育法による高等学校又は中学教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級土木施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(高等学校又は中学教育学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る。)し、高等学校又は中学教育学校を卒業した後8年以内に行われる連続する2回の2級土木施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で土木施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
表引用元:一般財団法人全国建設研修センター 受験資格要綱

 

2級土木施工管理技士の試験内容

2級土木施工管理技士の試験内容は、「第1次検定」と「第2次検定」に分かれています。

前期試験:第1次検定

四肢択一式:2時間10分

第1次検定は土木一般、専門土木、法規、共通工学、施工管理法の5分野から出題され、マークシート方式になっています。試験内容は全61問のうち40問を選択して解答しますが、共通工学と施工管理法は全問解答が必須となっています。

出題形式 分野 出題数 必要回答数
選択 土木一般 11 9
専門土木 20 6
法規 11 6
必須 共通工学 4 4
施工管理法 15 15

 

後期試験:第1次検定・第2次検定、第1次検定のみ、第2次検定のみ

■ 第1次検定
四肢択一式:2時間10分

出題形式 分野 出題数 必要回答数
選択 土木一般 11 9
専門土木 20 6
法規 11 6
必須 共通工学 4 4
施工管理法 15 15

 
■ 第2次検定
記述式:2時間

第2次検定は記述式となり、必要解回答数は9問中7問です。試験問題は「施工経験記述」「土工」「コンクリート」「品質管理」「安全管理」「工程管理」で、出題中5問が必須問題となり、残り4問が選択問題となります。
「施工経験記述」では、自身の施工管理経験を文章にして解答しますが、他の問題で文章記述や穴埋め問題、計算問題なども出題されるため、簡潔に記述して解答しなくてはなりません。

出題形式 分野 出題数 必要回答数
必須 施工経験記述 1 5
土工 1
土工 1
コンクリート 1
コンクリート 1
選択 品質管理 1 1
品質管理 1
選択 安全管理 1 1
工程管理 1

 

2級土木施工管理技士の合格率

2級土木施工管理技士の合格率は、第1次検定の合格率が過去5年間で平均60.6%、第2次検定の合格率は過去5年間で33.7%です。他の国家資格試験に比べて合格率がやや高い傾向にあります。
第1次検定は比較的合格しやすい試験なので、過去問をしっかりと復習しておけば比較的通りやすい試験です。一方第2次検定は、自身の施工経験を簡潔に文章で伝えなくてはならないため、文章の表現方法や記入する数値の正確さなどが求められます。
また、出題内容も毎年違う内容になるので、過去問や参考書などの模範解答を熟読し、自分の経験と模範解答を重ね合わせて記述解答の練習をすると良いでしょう。出来上がったら他の人に見てもらい、添削してもらうと文章力や表現の上達が図れます。

 

2級土木施工管理技士の試験日程

令和3年度の1級土木施工管理技士の試験日程は下記の通りになります。

第1次検定

【申込受付期間】

令和3年3月3日(水)~令和3年3月17日(水)

【試験日】

令和3年6月6日(日)

【合格発表日】

令和3年7月6日(火)

 

第1次検定・第2次検定(同日試験)、第1次検定のみ、第2次検定のみ

【申込受付期間】

令和3年7月6日(火)~令和3年7月20日(火)

【試験日】

令和3年10月24日(日)

【合格発表日】

・第1次検定のみ:令和4年1月14日(金)
・第1次・第2次検定、第2次検定のみ:令和4年2月2日(水)

 

まとめ

土木施工管理技士は、私たちの生活の基盤となる土木工事全体を把握して工事を進めなくてはなりません。1級資格になると、管理する工事規模も大きくなるため大変な業務ですが、携わった工事や建造物は地図や後世に残すことができ、大変やりがいのある仕事です。
また、慢性的な人手不足である建設業界において、永久資格である施工管理技士の資格保持者は転職にも有利な上、健康であれば高齢になっても活躍することができるため、ぜひ取得しておくことをおすすめします。

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